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映画評 「身代わり忠臣蔵」 [映画評]

私が子どもの頃、十二月になると必ずテレビや映画で忠臣蔵が取り上げられていた。
当時は、王道のストーリーだったように思う。

近年もポツポツ忠臣蔵をテーマにした作品が撮られているが、
ちょっとひねりを効かせるパターンが多いように感じる。
幕府や吉良側に焦点を当てたり、コミカルな要素を加えたりなど。
本作もそうした作品の一つ。
「身代わり」という設定を加え、コメディ映画として描いている。

主演はムロツヨシさん。
今や、立派な主演級俳優であり、
コメディ映画といえばこの人、的な空気もある。

ならば、もう少し面白くできなかったか。
身代わりという要素が加わっただけで、
そこから派生した展開も、
そこから発展した笑いもなし。

さらに、最後のドタバタシーンは完全に余計。
尺をやたらと取ったのに、ちっとも笑えない。
ドタバタすればするほど、観ている側は冷めていく。

吉良上野介役を、身代わりになる弟とともにムロさんが演じ、
大石内蔵助役は永山瑛太さん。
ほかに、川口春奈さん、林遣都さん、北村一輝さん、柄本明さん。
役者陣はしっかり。

河合勇人監督がメガホン。
「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」
「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦」
といった映画で楽しませていただいた監督さんで、
コメディタッチはお手のものかと思ったが、
ガチコメディはそこまでではなかったか。

コメディであろうとなんであろうと、時代劇は撮り続けてもらいたいが、
なんとも歯がゆく、中途半端な一作であった。
残念。

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