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2023年の日本映画を振り返る その5 「2023年私の選ぶ気になる女優賞」 [映画評]

各種映画賞には、俳優部門がある。
それにならって、2023年の日本映画から女優賞、男優賞を選んでみたい。
演技が優れていたというか、気になったというか、誰かに伝えたいというか。

まずは女優賞。
最優秀を一人と決めず、3人ほど選ぼう。

ちなみに日本アカデミー賞での主演女優賞ノミネートは、
綾瀬はるかさん「リボルバー・リリー」
安藤サクラさん「怪物」
杉咲花さん「市子」
浜辺美波さん「ゴジラ-1.0」
吉永小百合さん「こんにちは、母さん」

ブルーリボン賞での主演女優賞ノミネートは、
綾瀬はるかさん「リボルバー・リリー」
安藤サクラさん「BAD LANDS バッドランズ」
松岡茉優さん「愛にイナズマ」
宮沢りえさん「月」
吉永小百合さん「こんにちは、母さん」
といった感じだった。

ふむ。
両賞はかなり共通した人を選んでいる。
こうした賞で選ばれた人をあえて外そうとは思わないが、
私が選んだ女優賞候補はかなり違うラインナップになった。
その10人は以下のとおり。

「春画先生」から北香那さん
「女優は泣かない」から蓮佛美沙子さん
「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」から伊澤彩織さん
「銀河鉄道の父」から坂井真紀さん
「おとななじみ」から久間田琳加さん
「遠いところ」から花瀬琴音さん
「茶飲友達」から岡本玲さん
「波紋」から筒井真理子さん
「福田村事件」からコムアイさん
「あつい胸騒ぎ」から吉田美月喜さん

ここから3人に絞り込もう。

蓮佛美沙子さんは、「君に届け」以来ずっと応援している。
「女優は泣かない」でも魅力的だったが、女優賞となるとどうか。

「ベイビーわるきゅーれ」は、伊澤彩織さんがいてこその作品と感じる。
ただ、やはり続編は1作目には及ばず。

筒井真理子さんはいつも強烈。
それを言ってはなんだが、私が女優賞に選ばなくても。

「あつい胸騒ぎ」は、作品として素晴らしく、演出も俳優もみな見事だった。
吉田美月喜さんもよかったが、まだまだこれからの人。

「おとななじみ」の久間田琳加さんは、遅ればせながら去年発見させていただいた。
モデルとして人気らしいが、スクリーンで映える。
これからも観続けたいが、2023年の3人とまでは。

「福田村事件」に出ていた女優さんは、みな素晴らしかった。
コムアイさんを代表で挙げたが、他の方も全く遜色なかった。

「茶飲友達」の岡本玲さんは、立派な仕事をやり遂げられた。
選ばない理由はないが、ごめんなさい。

残った三人は、
「春画先生」から北香那さん
「銀河鉄道の父」から坂井真紀さん
「遠いところ」から花瀬琴音さん。

北香那さんは、私の大好きなアニメ映画「ペンギン・ハイウェイ」で、
主人公の小学生アオヤマ君の声を担当されていた方。
あれから4年、今度はこんなにエロい作品に出られるとは・・・。
「春画先生」という作品自体は、後半崩壊してしまうのだが、
それでも全編を楽しく観られるものにしていたのは北香那さんの功績大。
絡みのシーンが多いのだが、とてもキュートに演じられた。

坂井真紀さんは、女優としてもっともっと評価されてしかるべき人。
一定以上の年齢の方には、
東京ビューティーセンターのコマーシャルの『ぜったいきれいになってやる』のイメージが強いと思うが、
今の坂井さんは日本映画を支える名バイプレーヤー。
2023年だけでも「ロストケア」「銀河鉄道の父」「逃げきれた夢」「水は海に向かって流れる」「アナログ」で、
ピリッとした演技を披露された。
なかでも「銀河鉄道の父」での宮沢賢治の母役は素晴らしかった。

「遠いところ」は、痛い映画だった。
沖縄の生身の姿をえぐる作品に主演された花瀬琴音さんは役にずっぽりはまっておられ、
てっきり沖縄の人かと思いきや東京出身とのこと。
これからも遠いところに連れて行ってくれそうな注目の女優さんである。

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