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映画評 「とんかつDJアゲ太郎」 この秋のおススメ [映画評]

この映画をすすめるのにはちょっとした勇気がいる。
まず、出演者にあれやこれやが相次いだ。
メインキャストである伊勢谷友介さん、伊藤健太郎さん、ブラザートムさん。
イメージはやたらと悪いだろう。
さらに、ネットでのレビューもかなり悪い。
特に原作ファンからは総スカンに近い状態のようだ。

しかし私はすっかり楽しんだ。
最初から最後まで楽しかった。

おバカな話だから、楽しむだけなら簡単だろう、と思われるかもしれないが、そんなことはない。
大抵のおバカ映画は、おバカなだけで少しも楽しめない。
アゲ太郎は楽しかった。

原作ファンからすると、全然違う話になっていることが不満のようであり、その気持ちはよくわかるが、
映画と漫画は別物。
2時間の尺に上手におさめたと思う。
クラブやDJの描き方も掘り下げ不足ではあるのだろうが、そこを掘り下げる映画でもない。
楽しくて、
友情があって、
楽しくて、
成功があって、
ちょっとした挫折や恋があって、
楽しければそれで十分。
そして、その十分条件を満たす作品は希少である。

本作の監督・脚本を担当したのが二宮健さん。
現在28歳。
今後要注目の存在となった。
次作も大いに楽しみである。

主演は北村匠海くん。
これまではどちらかというと繊細な役が多かったが、今作ではぶっ飛ばしている。
コメディもいけるとなると、芝居に幅が広がった。
ヒロイン役に山本舞香さん。
本作では、彩を添えるといった存在。
いろいろあった伊勢谷友介さん、伊藤健太郎さん、ブラザートムさんだが、芝居はしっかり。
主人公の友人である三代目軍団の加藤諒さん、栗原類さん、前原滉さん、浅香航大さんの弾けっぷりも楽しかった。

ベリンダ・カーライルの「Heaven Is A Place On Earth」という曲が大切な場面で使われる。
1987年の曲で、監督の二宮さんは生まれてもいない。
今のクラブで流れるにしては、古いし、ちょっとダサい気もする。
しかし、これがズバッとはまる。

「とんかつDJアゲ太郎」はこの秋を揚げるおバカで楽しい映画。
お気に召さない方も少なくないようだが、私は好き。
ずっと楽しめた。
肩ひじ張らず、原作と比べず、ほわわんと映画に入ってしまおう。
鬼滅を観に行ったんだけど、満員で入れなかったら、
鬼滅の次に観る映画を探しているのなら、
くだらないけど楽しい映画が観たいのなら、
いい映画を観たいのなら、
是非この映画をご覧いただきたい。

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