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映画評 「52ヘルツのクジラたち」 ~ 原作どおりでなくても構わないけれど ~ [映画評]

2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさんのベストセラー小説の映画化。
原作を読んだが、
大好きにはならなかったもののそれなりに楽しめた。
それを成島出監督が映像化するとのことで、期待して劇場に足を運んだ。

原作は単行本で260ページ。
長過ぎるということはないが、当然すべてを映像化することはできない。
どこを膨らませてどこを削るか、
脚本家と監督の腕の見せ所である。

最初のシーンで、洒落た家と美しい風景が映る。
ここで気持ちを掴まれた。
成島監督の「八日目の蝉」のような心に残る作品になるかと思えた。

しかし、そこからはうまくいかなかった。
基本的には原作に忠実に進むのだが、
ブツ切りな感じで、気持ちが入り込まない。
描くべきところが描き切れておらず、
誰にどう感情移入すればいいのか、最後までつかめなかった。

主演の杉咲花さんの演技は今回も強烈。
杉咲さんを観る映画ととらえればいいのだろうが、そこに寄りかかり過ぎている感じもした。
物語のカギを握る存在に志尊淳さん。
志尊さんの責任ではなく、役柄の行動の意図が不明。
悪役的な存在に宮沢氷魚さん。
今回の役はなかなか難しく、あまりうまくいかなかったように感じた。

私は、原作と映画は別物と考えるクチであり、
改変があってもそれだけで悪いこととは思わない。
しかし、別物であっても、良いものではあってほしい。
「52ヘルツのクジラたち」は、映画化して良いものになったかといえば、
どうだろう。
成島監督にして、いつもうまくいくとは限らない。
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結構面白かった今年のR-1 ~ 夢があるかどうかはさておき ~ [ヨモヤ]

「R-1グランプリ2024」が開催され、
街裏ぴんくさんが優勝された。
ぴんくさんは、「R-1には夢があるんですよ!」と叫ばれたが、
さて、去年の優勝者は誰でしょう?

R-1を家族で見るのには、ちょっとした勇気がいる。
しんどいネタが続いてしまうことがありがちで、家の空気まで重くなってしまうからである。
The Wにも共通した現象。
今年も相当な覚悟でテレビに向かったが、いやいやどうして、これが結構面白かった。

トップバッターの
真輝志さんはさておき、
2番手ルシファー吉岡さんの婚活パーティのネタでクスリとさせられた。
こういうことなくもなさそう。
続く、街裏ぴんくさんはピンと来なかったが、
kento Fukayaさんのマッチングアプリネタ、
寺田寛明さんの国語辞書コメントネタでは、どちらもくすぐられた。
わーわーにぎやかなぴんくさんより、私はこのお二人の方が好き。
サツマカワRPGさんと吉住さんは、ちょっとした狂気がほの見えるネタ。
特に吉住さんのネタは傑作。
笑いながら、なんだか怖い。
トンツカタンお抹茶さんは、笑えなかったが発想には驚いた。
どくさいスイッチ企画さんは、アマチュアということだが、そうは思えないクオリティ。

ファイナルに残ったのは、
ルシファー吉岡さん、
街裏ぴんくさん、
吉住さんの3組。
ぴんくさん以外は納得の進出。
kento Fukayaさんをもう一本見たかった。

ファイナルでは、ルシファーさん、吉住さんが一本目より弱めのネタになったのに対し、
ぴんくさんは一本目よりちょい増し。
結果、吉住さん2票、ぴんくさん3票となった。

ぴんくさんが売れる将来もあまり想像できず、
昨年優勝の田津原理音さんのように、うまく波に乗れない可能性も少なくない。
ただ、大会全体として結構面白かったのは確か。
裸の人や
フリップ芸の人がいなかったのは、
R-1の進化を示しているのだろうか。

タグ:R1 吉住
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いい映画っぽい映画が評価される日本アカデミー賞 [映画評]

日本アカデミー賞が発表された。
結果は以下のとおり。

最優秀作品賞
「ゴジラ-1.0」(予想的中)

最優秀アニメーション作品賞
「君たちはどう生きるか」(予想的中)

最優秀監督賞
ヴィム・ヴェンダースさん(私の予想は山崎貴さん)

最優秀主演男優賞
役所広司さん「PERFECT DAYS」(私の予想は鈴木亮平さん)

最優秀主演女優賞
安藤サクラさん「怪物」(私の予想は杉咲花さん)

最優秀助演男優賞
磯村勇斗さん「月」(予想的中)

最優秀助演女優賞
安藤サクラさん「ゴジラ-1.0」(私の予想は松坂慶子さん)

受賞された皆さん、おめでとうございます。
今後とも、いい映画を届けてください。

さて、毎年日本アカデミー賞を見て思うことは、
ノミネート作品に説得力がない、
いい映画っぽい映画が評価される、
ということである。

過去5年の最優秀作品賞を振り返ると、
「ある男」
「ドライブ・マイ・カー」
「ミッドナイトスワン」
「新聞記者」
「万引き家族」
といった具合で、いい映画っぽい映画が評価されている。
もちろん、どれもいい映画だが、それぞれの年のベストワンだったかどうか。
今年の「ゴジラ-1.0」はやや異質だが、
監督賞にヴィム・ヴェンダースさんが選ばれたり、
助演男優賞に「月」の磯村勇斗さんが選ばれたり、
で、傾向は変わっていない。(お二人の受賞に異論はないにしても)

例えば、
「ちはやふる」とか、
「殺さない彼と死なない彼女」とか、
「Bの戦場」とか、
「とんかつDJアゲ太郎」とか、
「ヘルドックス」とかは選ばれてこない。

いい映画っぽい映画が悪いとは言わないが、
いわゆる娯楽作や
若手監督のほとばしる作品などにもしっかり目を向けていただきたい。
こんなことを言っても届くはずはないと思うけれど、
言わないより言った方がましかと思って言ってみる。

日本アカデミー賞の権威を上げるためには、
映画ファンが納得できる作品を選び続けることしかない。
現状でそれができているか、しっかり顧みていただきたい。

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バブル期とはけた違いの利益を上げている日本企業 [経済を眺める楽しみ]

どう考えても、日本株の上げ方は速過ぎる。
今年に入ってから、日経平均で6,000円ほども上げている。
これはいくらなんでもスピード違反だろう。
どこかで調整が入るのが自然だと思う。
3月7日には500円ほど下げたが、この先もっと下げても驚かない。

しかし、今の株式相場がバブルかといえば、
必ずしもそうではないだろう。
バブル期のPERが約60倍だったのに対し、
今は20倍を割り込む水準。
買われ過ぎとまでは言えないと考えるのが普通ではないか。

実際、企業の稼ぐ力は上がっている。
先日、日本経済新聞に日本企業の純利益ランキングが、
1989年と2023年を比較する形で掲載されていた。
これによると、
1989年も2023年も1位はトヨタなのだが、
1989年の純利益が3,462億円であるのに対し、2023年は2兆4,513億円。
さらに、2023年では6位の日本郵船までが純利益1兆円超えとなっていて、
まさに桁が違っている。
日本企業はしっかり稼いでいるのである。

もちろん、そうして得た利益がきちんと活かされていないという問題はあるだろう。
労働者への還元が不十分であるだけでなく、
魅力的な商品づくりでも力を発揮していない。
それにしても、利益が上がっていることは確かであり、
それに合わせて株価が上がっている。

この30年間を「失われたもの」としてとらえている人からすれば、
株価の高騰や賃上げの流れを見ても、
経済の好循環など生まれるはずはない、
そんなにうまい話があるはずがない、
と思うのだろう。
確かに、そう思うのが自然かもしれない。
しかし、本当にうまく回り始めているとしたら、
その足を引っ張るのだけはやめていただきたいと願う。
うまく行き始めているのなら、
素直に喜べばいいし、
それに乗っていけばいい。

今の株高は日本企業の力を海外投資家が評価していることが大きい。
日本人が悲観している日本の力を海外投資家が評価しているのは皮肉だが、
近過ぎて見えないこともあるのかもしれない。

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日本ボクシング史上に残る2024.5.6 ~ ネリには要注意 ~ [ヨモヤ]

かねてから取りざたされていた一戦がついに実現することとなった。
2024年5月6日、
ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥と元世界2階級制覇王者ルイス・ネリが闘うことが、正式に発表されたのである。
場所は東京ドーム。
同所でのボクシングの開催は、マイク・タイソン以来34年ぶり。
タイソンは歴史的な大番狂わせで負けてしまったが、井上はどうか。

ネリは、日本では徹底的に評判が悪い。
山中慎介さんとの試合の際、
薬物違反、体重超過を繰り返したのでそれもやむを得ない。
しかし、はまったときの強さは半端ない。
怖さという点では、ドネア以上と思える。

さらにこの日は、他に以下の3つの世界戦が組まれた。
1日に4試合の世界戦は、日本初だという。

WBA世界バンタム級タイトルマッチ
王者・井上拓真 対 同級1位・石田匠

WBA世界フライ級タイトルマッチ
王者・ユーリ阿久井政悟 対 同級3位・桑原拓

WBO世界バンタム級タイトルマッチ
王者ジェイソン・モロニー 対 同級10位・武居由樹

なかでも注目は、元K-1王者である武居由樹の世界発挑戦であろう。
武居の戦績は8戦8勝8KOのパーフェクトなものだが、
ボクサーとしてのキャリアは浅い。
歴戦の雄であるモロニーとどんな試合を見せてくれるだろう。

ボクシングファンの枠を超えて話題となるためには大きなことが必要である。
井上対ネリ、
東京ドーム、
4大世界戦、
とそのための舞台は整った。
あとは、すごいものを見せてもらいたい。
ふらっと見た人が、ボクシングから離れられなくなるような。

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映画評 「18歳のおとなたち」 ~ 映画への真摯が感じられない ~ [映画評]

低予算で作られた映画。
多大な期待をする方が悪いのかもしれない。
観に行った方が悪いのかもしれない。
しかし、あぁ。

若者が映画を作る姿を描く映画。
映画を作る映画は、熱いものであってほしい。
映画を作る映画は、映画への愛に満ち、映画に真摯に向き合ったものであってほしい。
そう願うのは、野暮ですか?
そう願うのは、無茶ですか?

映画が始まって数分で、もうへなへな。
一体どんな設定なのやら。
奇想天外というのではなく、
愛がない熱がない。

映画を作るのは大変。
なぜなら、いろいろな人の協力を得なければならないから。
そこにドラマが生まれる。
本作では、それさえも描かれない。

この企画にGOが出て、
この脚本でOKとなって、
この作品で上映となるメカニズムが私には理解できない。
いいとか悪いとかという前に、
真摯さが感じられない。

ツッコミどころというか、
いくらなんでもひど過ぎる展開の連続。
オチもはにゃ~。
お行儀よくやってもらう必要はないが、
それと、いい加減とはまた別。

唯一よかったのは、久しぶりの女優さんに出会えたこと。
中島知子さん、雛形あきこさん、みひろさんの揃い踏み。

88分と短めなところには救われたが、
なにやら悲しい気持ちにさせられる1時間半だった。

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日本アカデミー賞を予想してみる [映画評]

3月8日に授賞式が行われる、今年47回目を迎えた日本アカデミー賞。
回を重ねても重みは増さない。
なぜなら、
ちゃんとした作品を選ばないから、
変な作品を選ぶから。
それはそれとして、賞を獲得された方は嬉しそう。
確かに、受賞者は悪くない。
素直な気持ちで、今年の賞の行方を占ってみよう。

まずは、アニメーション作品賞。ノミネートは以下の5本。
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
「君たちはどう生きるか」
「映画 窓ぎわのトットちゃん」
「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」
「BLUE GIANT」

このなかで一番好きな映画は「BLUE GIANT」だが、賞レースにおいて宮崎さんに勝てるとは思えない。
「君たちはどう生きるか」の受賞が固いだろう。

優秀監督賞のノミネートは以下の5人。
ヴィム・ヴェンダース「PERFECT DAYS」
森達也「福田村事件」
成田洋一「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
山崎貴「ゴジラ-1.0」
是枝裕和「怪物」

「福田村事件」も「怪物」も力作だったが、2023年は「ゴジラ」の年。
監督賞は山崎貴さんだろう。

主演男優賞のノミネートは以下の5人。
阿部サダヲ「シャイロックの子供たち」
神木隆之介「ゴジラ-1.0」
鈴木亮平「エゴイスト」
水上恒司「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
役所広司「PERFECT DAYS」

ここは、神木くんと鈴木さんと役所さんの争い。
演技という点だけで見れば、鈴木亮平さんがすごかった。
鈴木さんに一票。

主演女優賞のノミネートは以下の5人。
綾瀬はるか「リボルバー・リリー」
安藤サクラ「怪物」
杉咲花「市子」
浜辺美波「ゴジラ-1.0」
吉永小百合「こんにちは、母さん」

浜辺さんがゴジラでこの賞を獲る感じはしない。
安藤サクラさんは、主演という感じではなかった。
となると、杉咲花さんだろう。

助演男優賞のノミネートは以下の5人。
磯村勇斗「月」
伊藤健太郎「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
大泉洋「こんにちは、母さん」
加瀬亮「首」
菅田将暉「銀河鉄道の父」

誰に獲ってほしいかといえば、「首」の加瀬亮さんだが、
おそらく獲るのは磯村勇斗さん。

助演女優賞のノミネートは以下の5人。
安藤サクラ「ゴジラ-1.0」
上戸彩「シャイロックの子供たち」
永野芽郁「こんにちは、母さん」
浜辺美波 「シン・仮面ライダー」
松坂慶子「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

ここは難しい。
演技力という点では安藤サクラさんだが、「ゴジラ」ではそれほど登場する機会がなかった。
であれば、ここは松坂慶子さんではないか。
喜んでくれそうだし。

優秀作品賞のノミネートは以下の5作品。
「怪物」
「ゴジラ-1.0」
「こんにちは、母さん」
「福田村事件」
「PERFECT DAYS」

「こんにちは、母さん」がちと場違い。
「福田村事件」はとてもいい映画で、脚本も脚色も演技も素晴らしかった。
しかし、「ゴジラ」の年。
最優秀は「ゴジラ-1.0」だろう。

予想だから、当たるも八卦当たらぬも八卦。
ただ、毎年そうなのだが、ノミネートが今一つなので、予想する楽しみが減退する。
毎年願うのだが、来年はいい選考をしてくださいますように。
そう願う。

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映画評 「罪と悪」 ~ ラスト30分が残念も見応えある力作 ~ [映画評]

本作は、これが長編デビューとなる齊藤勇起監督のオリジナル脚本作品。
それは力が入る。
そして、気持ちばかりが先走ることなく、しっかり観させる映画として成立させていた。
次回作が楽しみになる監督である。

いい作品であったがゆえに、気になる点もいくつか。

まず、はじめからそれが前提となっている、
クリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」との類似である。
下敷きというより、リメイクのようにさえ感じた。
初監督作品のオリジナル脚本であれば、世の中にないものを撮られればよかったように思う。
まあ、日本版「ミスティック・リバー」を撮りたかったということなのだろうけれど。

もう一点は、終盤のへなへな感である。
真相が明らかになるにつれ、どんどん興趣がそがれ、観ている側の気持ちが冷めていく。
それまで緊張感のある映像を積み上げてこられたのに、
なんでそんな安易なラストにしちゃうかな。
残念。

そうした欠点は無視できないほどに大きいものの、
トータルとしてはなかなかの作品。
骨太の映画に仕上がっていて、役者陣も好演。

高良健吾さんの半グレぶりは実に堂に入ったもの。
善と悪を揺れ動く存在を見事に演じられていた。
善に徹しようと苦悩する刑事役の大東駿介さんもはまっていた。
鍵を握る存在の石田卓也さんは、私にとってはアニメ映画「時をかける少女」での千昭役の声の出演が鮮烈。
椎名桔平さんに加え、
佐藤浩市さんまで出演されていたのには驚いた。

手の込んだ脚本で、
監督としてはこうした話が撮りたかったのだろうが、
残念ながらうまくいったとは言えない。
無理が重なり、
終盤崩壊してしまった。
とはいえ、序盤からへなへなな映画も数多くあるなか、
本作の緊張感はなかなかのもの。
本作が長編デビューとあれば、次回作にも期待が高まる。

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日本ボクシング界 活況も一般的な知名度はもうひとつ [ヨモヤ]

「SPAIA」というAIやデータ解析をテーマにしたスポーツメディアが、
『ボクシング黄金時代!日本の現役世界王者はアメリカに次いで2位の9人』
と題した記事を掲載している。

現在、日本にボクシングの世界チャンピオンは9人いるが、
これは世界で2番目に多いのだという。
そのアメリカでも15人というから、人口比で言えば日本の方がかなり多い。
こうなるとボクシング大国と言っていいだろう。

その9人の王者は以下のとおり。

井上尚弥(統一スーパーバンタム級王者)
井上拓真(WBAバンタム級王者)
中谷潤人(WBCバンタム級王者)
井岡一翔(WBAスーパーフライ級王者)
田中恒成(WBOスーパーフライ級王者)
ユーリ阿久井政悟(WBAフライ級王者)
寺地拳四朗(WBA・WBCライトフライ級王者)
重岡優大(WBCミニマム級王者)
重岡銀次朗(IBFミニマム級王者)

井上兄弟と重岡兄弟で4人を占めている。
軽量級の選手が多いのは以前からの傾向。

また、数が多いだけではなく、
パウンド・フォー・パウンドでトップを争う井上尚弥をはじめ、
無敗で3階級を制したネクストモンスター中谷潤人、
防衛を重ねるなかで凄味を増してきた寺地拳四朗、
再度の対決の可能性が取りざたされる井岡と田中など、
世界的な評価が高いボクサーも多い。

しかし、これだけの活況にもかかわらず、
世間的な知名度や盛り上がりは今ひとつと言わざるを得ず、
そこは格闘技ファンとしては残念なところである。
9人の現役王者の名前も、
「知らない」という人が多いだろう。
かつての白井さんやファイティング原田さんや輪島さんや具志堅さんのような
国民的ヒーローになるのは難しいにしても、
世界王者になってもそれほど知られていなかったり、
スポーツ紙での取り上げも小さかったりするのは、
なんとももったいない。

世界王者の知名度が低いのは、
いろいろなスポーツが広まりボクシングの相対的な地位が下がったこと、
団体が乱立し、階級もやたらと細分化されたために世界王者の希少価値がなくなったこと、
地上波での中継が減ったので一般の方が接する機会が減ったこと、
など、明確な理由があるが、
それにしても。

大谷の動向を伝えるのもいいが、
ボクシングについても、世界戦のときくらいはしっかり報じてもらいたいものである。
スターを育てるというのも、メディアの一つの役割ではないだろうか。

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ここのところで読んだ30冊 [読書記録]

ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。

「謎々将棋・囲碁」
「職場の発達障害」 岩波 明
「14歳からの瞑想超入門」 ベルナール
「駒音高く」 佐川 光晴
「リッツ・カールトン型から入る仕事術」 高野 登
「思索の淵にて」 茨木 のり子、長谷川 宏
「アメリカの編集者たち」 常盤 新平
「サクッとわかるビジネス教養 マネジメント」
「村の名前」 辻原 登
「ゆるゆるスモール起業のススメ」 泉澤 義明
「JR上野駅公園口」 柳 美里
「怪物に出会った日」 森合 正範
「チャリング・クロス街84番地」 ヘレーン・ハンフ
「日本人の勝算」 デービッド・アトキンソン
「福翁自伝」
「マリコ/マリキータ」 池澤 夏樹
「水曜の朝、午前三時」 蓮見 圭一
「おわらない夏」 小澤 征良
「かつどん協議会」 原 宏一
「超・ハーモニー」 魚住 直子
「2009年6月13日からの三沢光晴」 長谷川 晶一
「できるChatGPT」
「大阪から日本は変わる」 吉村 洋文、松井 一郎
「トムは真夜中の庭で」 フィリパ・ピアス
「平気でうそをつく人たち」 スコット・ペック
「ブロックチェーンの本」 浦岡 行治
「佐藤一斎重職心得箇条」
「モルフェウスの領域」 海堂 尊
「生きてるだけでだいたいO.K.」 マギー司郎

佐川光晴さんの「駒音高く」は、将棋に打ち込む若者たちの姿を描く短編小説集。手練れの作家による、面白くかつ胸を打つ作品が勢ぞろい。

森合正範さんの「怪物に出会った日」は、井上尚弥の強さを対戦相手への丹念な取材で明らかにしていくドキュメント。世界中のボクシングファンが、井上について知りたがり、井上について語りたがっている。

長谷川晶一さんの「2009年6月13日からの三沢光晴」は、三沢さんがお亡くなりになった日に焦点を当て、いろいろな人の証言を織り交ぜつつ、プロレスラーであり経営者でもあった三沢さんの内実に迫るドキュメント。三沢さんが生きていたら、どんな活躍をされていただろう。

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