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評価が割れつつ迎えるトランプ大統領の2期目の選挙 [ヨモヤ]

中学校の頃、社会の先生がこんな問題を出した。
「4で割れる西暦の年、例えば1980年とか2000年とかに、
世界では2つのビッグイベントがある。
それは何と何だかわかるか?」
中学生だった私たちは、オリンピックはすぐにわかったものの、もう一つはパッとは浮かば
なかった。
「もう一つは、アメリカの大統領選挙。これは世界の命運を左右するビッグイベントだ」
との先生の言葉に、そんなものなのか、とちょっと驚いた記憶がある。
アメリカの大統領には、一国のトップという立場を超えた力があると認識させられた。

今年2020年は、4で割り切れる。
東京でオリンピックが開かれ、
アメリカで大統領選挙が行われる。
世界が動く一年になる。

先日、日本経済新聞社による世論調査が行われ、その中でアメリカ大統領選挙についても聞
いていた。
設問は、
「今年11月の米大統領選でトランプ氏が再選してほしいか否か」
というもので、結果は、
再選を望んでいない72%
再選してほしい18%
だったという。
日本国内では圧倒的に不人気であることがわかる。
この傾向は、多くの国で共通であると思う。
歴史上、最も世界で嫌われているアメリカ大統領と言えるかもしれない。

では、アメリカ国内ではどうか?
どうやら、好き嫌いが分かれていることは当然として、その評価さえも分かれているようだ。

英フィナンシャル・タイムズと米ピーター・G・ピーターソン財団が実施した世論調査によれば、
「トランプ政権になって暮らし向きはどうなったか?」との質問には、
改善した35%、
悪化した29%、
「トランプ大統領の経済政策の評価は」」という質問には、
経済に貢献した51%、
経済を悪化させた39%、
という結果だったという。

トランプ政権下で、アメリカ株は大きく上昇し、経済も好調だった。
そうした状況下に関わらず、経済政策への評価さえも割れていることがわかる。
ただ、トランプ大統領自身、国民が分断されることを少しも恐れていないように見える。
むしろあおることにより、支持基盤を固めているようにさえ感じられる。

現段階の予想では、
民主党に強力な候補がいないこともあり、トランプ大統領の再選が有力視されている。
分断を深め、
評価もわかれつつ、
2期目に突入するのだろうか。

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映画評 「AI崩壊」 [映画評]

観に行っておいてなんだが、たぶんつまらないだろうと思っていた。
AIが暴走するというテーマに目新しさがまったくないし、
オチも見え見えである気がしたので。
しかし、意外に面白かった。
もちろん、突っ込みどころは満載で、
真面目に考えるとオイオイとなるシーンの連続ではあるのだが、
娯楽作としては、十分に楽しめた。

監督は入江悠さん。
入江作品といえば、「SR サイタマノラッパー」が印象深いが、
「22年目の告白 -私が殺人犯です-」を大ヒットさせたことで、
ヒット狙いの作品も作れることを証明した。
今作もその流れ。
AIとどう向き合うか、という硬派な筋立てより、
逃亡シーンにぐっと力が入っている。
それでよかったと思う。

主役の天才科学者役を演じるのが、大沢たかおさん。
もう50歳を超えている大沢さんだが、見事にシェイプアップされた体を披露されている。
それが役にも生きており、体は鍛えておくものだと思った。
脇を、賀来賢人さん、岩田剛典さん、広瀬アリスさん、三浦友和さんといった方々が務められている。
皆さん、わかりやすい役回りをわかりやすく演じておられた。

コンピューターが暴走する、人間に対して牙をむく、
という話はずっと前から繰り返し描かれてきた。
その意味で、目新しさはまったくないが、AIが身近なものになり、
リアリティが増してきた、という面はある。
ドローンや町中にある防犯カメラなども、使いようによっては確かに脅威になる。
しかし、まあ、そうした警告はあくまで添え物。
本作は、単純にエンタテインメントとして楽しむべき作品だと思う。。

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マスクの高額転売は禁止すべきか [ヨモヤ]

新型肺炎の影響で、中国はもちろん、日本でもマスクが品薄になっている。
そこに目をつけ、フリマアプリ等で、マスクが高値転売されているらしい。
一般的なマスクとみられる商品1箱(65枚入り)が5万円超で販売されていたりするという。
メルカリやアマゾンなどは、こうした出品を取り下げる措置をとっているそうだ。

この高額転売には不快な思いをする人が多いだろうし、
「人の弱みに付け込むのはよくない」
「こんなときにあまりにも阿漕だ」
「不安をあおるような振る舞いは慎むべき」
といった感想を持つのが普通だと思う。

一方、資本主義の世の中で、
「需要と供給が釣り合ったところで価格が決定される」
という原則からすれば、いくらに値付けしようとかまわないという意見があってもいいと思う。
高過ぎれば売れないだろうし、
たとえこの場では売れたとしても、出品者は信用を失い、今後の売り上げは下がるだろう。
そうやって調整されていく。
転売を禁止して、商品が地下に潜ってしまっては、
ほしい人のもとにも商品が届かなくなる。

高値転売は倫理的には釈然としない。
品がないとも思う。
しかし、だからといって販売させないのもちょっと違う気がするのである。

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カリスマ経営者のバトンの引き継ぎ方 [経済を眺める楽しみ]

スティーヴ・ジョブズがいなくなったら、アップルは大変だろう、
と思っていたが、ジョブズ亡き後もアップルは着実に成長を遂げている。
アップルの長年のライバルだったマイクロソフトも、
ビル・ゲイツ引退後も世界のトップであり続けている。

日本はどうだろう。
現在のカリスマ経営と言えば、
ソフトバンクの孫会長、
ファーストリテイリングの柳井会長、
日本電産の永守会長などの名前が浮かぶ。
彼らの引退後、会社はどうなるのだろう。
アップルやマイクロソフトのように、成長の歩みを止めず進み続けられるだろうか。
それとも、迷走状態になってしまうだろうか。

日本指折りのカリスマ経営者である永守会長が率いる日本電産は、
日産自動車の関潤元副最高執行責任者が、4月1日付で社長に就任すると発表した。
日産から経営者を引き抜いた点もさることながら、
現社長のもとで模索してきた「集団指導体制」について、
「集団体制に移行しようとしたが、それは創業以来の最大の間違いだった」
と永守会長が総括されているのが面白い。
永守会長は、
「呼び名はいいが、強いリーダーがいないとだめ。5、6人で決めていたのではだめだ。
中国との戦いがあり、時間がかかってはいけない。」
とおっしゃったのだという。

カリスマの後を誰か一人が負うのはしんどいので、
複数の分担制にしようという発想はよく理解できる。
三人寄れば文殊の知恵、とも言う。
しかし、実際のビジネスの現場では、意見を持ち寄ってなどいられないようだ。
また、多数の意見が正しいとも限らないのだろう。

社長が交代しても永守会長は残られるので、
カリスマ経営者による経営は続いていく。
しかし、いつかは永守会長も引退される。
ソフトバンクの孫会長も、ファーストリテイリングの柳井会長も、
不老不死ではいられない。

バトンをどうやってつないでいくか?
カリスマ経営者にとって、最後にして最大の仕事になる。

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映画評 「前田建設ファンタジー営業部」 [映画評]

英勉監督の最新作。
英作品では、なんといっても「ヒロイン失格」が大好きだ。
それ以来、毎回期待して観に行くが、今回はどうか。

英監督の持ち味の一つはテンポのよさだと思うが、
今作でもそれは健在。
のっけのシーンからグイグイ来る。

前田建設ファンタジー営業部は、ウエブ上に実在している。
映画の設定で行けば、
「2003年、前田建設工業の広報グループ長がアニメ『マジンガーZ』に登場する地下格納庫兼プールの発注を受けたという設定で建設を検証するウェブ連載を発案する。」
というもの。
これを発案し、強烈な熱量で引っ張る役を演じるのが「おぎやはぎ」の小木博明さん。
主演で、はじめは冷めている若手社員役を演じるのが高杉真宙さん。
そのほかのメンバーに、上地雄輔さん、本多力さん、岸井ゆきのさん。
「愛がなんだ」でブレイクした岸井さんは、本作でもなんとも不思議な味を出していた。

ジャンルとしてはコメディであり、
笑えるシーンがところどころに埋め込まれている。
働くものとして、胸が熱くなるシーンも多々。
脚本は上田誠さん。
私の愛する「ペンギン・ハイウェイ」を書かれた方である。
ツボをきっちり押さえた展開はさすが。
終盤ちょっとダレるが、まあ許容範囲。

さらに、エンドロールもサービス精神でいっぱい。
「バクマン」以来のすてきなエンドロールだった。

映画「前田建設ファンタジー営業部」は、全編愉快な娯楽作。
安心して観に行ってほしい。
マジンガー世代にはこつんと当たるだろうし、
若い人にも伝わると思う。

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外国人労働者に働いてもらえる国であり続けなければ [経済を眺める楽しみ]

厚生労働省が、2019年10月末時点の外国人労働者数を発表した。
それによると、
前年同期比13.6%増の165万8804人となり、
7年連続増加で、過去最多を更新したのだという。
2008年の頃は50万人くらいだったから、この10年ほどの間に3倍以上増えたことになる。

国籍をみると、
中国が41万8327人、ベトナムが40万1326人で、
この両国の合計が80万人を超え、全体の約半数を占めている。
特に大きく伸びたのがベトナムで、26.7%増と最も伸び幅が大きかったのだそうだ。

165万人ともなると、規模が大き過ぎてどうとらえればいいのかわからないが、
それでもなんとなく思うのは、
「実際にはもっとおられるのではないか」
ということである。
都内に行くと、コンビニも飲食店も、
極端な話、外国の人ばかりおられるように感じるからである。

日本人の数が減り、
しかし仕事はあり、
外国の方が日本で働きたいと思ってくださっているのであれば、
外国人労働者の方が増えるのは自然である。
日本にとってありがたいことでもある。

移民の受け入れについては、いろいろな意見があり賛否が分かれるが、
現実は日々先に行っている。
どう向き合うか、
どう付き合うか、
という次元ではなく、
外国の方がおられないと成り立たなくなっている。

魅力のある国であり続けなければ、
働いてもらえる賃金を出す力を持ち続けなければ、
現場から崩れていく。

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映画評 「his」 [映画評]

「愛がなんだ」のヒットもあり、今や「恋愛映画の騎手」と呼ばれることも多い今泉力哉監督の新作。
今回はゲイのカップルが主役だが、
センセーショナルにではなく、
いたずらに美しくにでもなく、
きちんと丁寧に撮られている。

LGBTがテーマになると、どうしても性の問題を主に観てしまうが、
本作はいろいろな気配りがなされていて、
地に足がついた感じがする。

物語は、昔別れたゲイの恋人が、
自分の娘を連れてふらっと現れたことから始まる。
その恋人は一緒に暮らそうと申し出る。
どうして急に現れたのか、
どうして一緒に暮らしたいと言い出したのか、
そこのところがあまり腑に落ちない。
そうならないと物語が始まらないから、映画的にはそうするしかないのだが、
どうにもしっくり来ない。
いい映画だが、このとっかかりが少し残念。

本作は淡々としながらも、様々な展開を見せる。
子供の親権をめぐる裁判劇もあり、
エンタテインメントとしても楽しめる。

ゲイのカップルを演じるのは宮沢氷魚さんと藤原季節さん。
二人とも自然ないい演技だった。
松本若菜さんが娘の母役。
相変わらずお綺麗で、女優さんらしい女優さんである。
こうした小品には欠かせない存在となっている若手女優の松本穂香さんが、きっちりと存在感を出していた。
根岸季衣さんも、しょっちゅうお見掛けするが、ピリッと締めておられる。
子役の女の子もよかった。

映画の本筋とは全く関係ないが、
たびたび出てきた犬がやたらと可愛かった。
犬好きの人にはたまらない。
犬が出てくるシーン、必見である。

「his」は、しっとり観られる小品。
LGBT云々に抜きに、映画としてじっくり鑑賞できる。

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税率2%上げて、軽減入れてポイント付けて、消費は3.8%の減 [経済を眺める楽しみ]

消費税については、上げたい・上げた方がいいと思われる方が少なくない。
それは別にいいのだが、現実は直視してほしい。
毎度毎度消費税を上げると消費が下がるのだが、
それを増税以外の要因に求めるのはもうやめにしてもらいたい。

今回は8%から10%への2ポイントの増だから、
0%→3%、3%→5%、5%→8%といった過去の増税と比べ、
上げ率は小さい。
一方の反動減対策は、
軽減税率あり、
商品券あり、
キャッシュレスの特典ありの大盤振る舞い。
これだけやって、商業動態統計によれば、
10~12月期の小売業販売額が前年同期比3.8%の減となってしまった。
前回よりも影響が大きいという結果である。

増税分を帳消しにする勢いで反動減対策を打った挙句、
増税分以上に消費が減ってしまっては、何をやっているのだかわからない。
もちろん、増税の効果は長期的に効いてくるものであり、
直近の3か月のみで成否が決まるものではないが、
少なくとも増税の影響が軽微だったとは言えない。

消費税上げたい派の方々は、今回の消費低迷についても、
「増税以上に、10月の台風19号及び暖冬の影響が大きかった」
と総括される気がする。
もちろん、そうした影響もなくはないだろうが、
毎度毎度増税の影響を軽微に見積もり、
想定が間違っていたとわかると別の影響に理由を求める、
という繰り返しはやめるべきである。

増税をするのなら、
日本で消費税を上げれば、必ず反動減が来る、
それはわかっているが、それでもやるのだ、
という覚悟でお願いしたい。
それを国民にも伝えて実施してほしい。
それができないのなら、もう打ち止めにすべきだと思う。

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ここんところで読んだ本 [読書記録]

この頃読んだ30冊は、こんな感じ。

「勝ち続ける意志力」 梅原 大吾
「新しい少年野球の教科書」 川村 卓
「あなたは死刑を言えますか」 山田 秀雄
「ビジネスエリートの新論語」 司馬 遼太郎
「ぶらりローマの休日 街歩き」 青木 昭
「障害者の能力を戦力にする」 川島 薫
「脳の中の経済学」 大竹 文雄
「言い訳」 塙 宜之
「晴れた日に傘を買う人はお金が貯まる」 田中 香津奈
「大正天皇婚約解消事件」 浅見 雅男
「オックスフォードの教え方」 岡田 昭人
「悟り入門」 長谷川 俊道
「止まった時間」 松本 麗華
「官僚たちの冬」 田中 秀明
「地元チームがある幸福」 橘木 俊詔
「一切なりゆき」 樹木 希林
「生協の白石さん」 白石 昌則
「はじめて学ぶ地方自治法」 吉田 勉
「ジョージ・ワシントンの110の戒め」
「パスタぎらい」 ヤマザキ マリ
「10分後にうんこが出ます」 中西 敦士
「こんなにおもしろいファイナンシャルプランナーの仕事」
「青の数学」 王城 夕紀
「消費税が国を滅ぼす」 富岡 幸雄
「ゴネる技術」 前垣 和義
「澁澤榮一」 澁澤 秀雄
「昼、介護職。夜、デリヘル嬢」 家田 荘子
「社長、その税金0にできる」 清田 幸弘
「仮想通貨はどうなるか」 野口 悠紀雄
「教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ」
「本当の翻訳の話をしよう」 村上 春樹、柴田 元幸

「言い訳」は、ナイツの塙宜之さんによるお笑い論。タイトルの「言い訳」は、M-1で勝てなかったことを指しているのだが、今や塙さんは審査員。漫才が当然面白いが、この本もとてもいい。

樹木希林さんの「一切なりゆき」は、大ベストセラーになった。タイトルからするとお気楽に暮らされてきたのかと思えるが、実際はその逆。突っ張って生きて来られたとわかる。いつか再読しようと思える本。

「10分後にうんこが出ます」を書かれた中西敦士さんは起業家。タイトルは、中西さんが開発された排泄予知デバイスから来ている。働き方改革のもと、バリバリ働くことを戒める空気があるが、起業家の突き破り方はいつも愉快。
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