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映画評 「甘いお酒でうがい」 [映画評]

「甘いお酒でうがい」と言われても、そんな映画聞いたこともない、
という人が多いだろう。
幸いである。
聞いたことがなければ、観ようとも思わないだろうから。
私は、予告編を見て、「面白そう」と思ってしまった。
知らない方がいい、ということが世の中にはある。

日常を切り取った、ゆったりした映画であることは知っていた。
波乱万丈のストーリーがないこともわかっていた。
それにしても、である。
退屈、と言わざるを得ない。
虫の知らせか、事前にコーヒーを飲んで臨んだのだが、
その程度のカフェインでこの映画が連れてくる睡魔に対抗するのはしんどかった。

40代独身OLの日常が淡々と描かれる映画なのだが、
むぎゅう。
何も起こらない映画、というのも嫌いではないのだが、
何も残らない映画では観る側はキツイ。

脚本はシソンヌのじろうさん。
といっても、笑える要素はほぼなし。
ラストも、私としてはいただけなかった。
監督は大九明子さん。
「勝手にふるえてろ」はとても楽しめたのだが、本作は・・・。
脚本もやられたときに弾けられる方なのかもしれないので、のんさん主演の次回作に期待しよう。

主演は松雪泰子さん。
地味な役柄ではあるが、それにしてももう少し輝いてほしかった。
恋仲となる年下の男の子役に、清水尋也さん。
私の愛する映画「ちはやふる」でライバル校のキャプテンをしていた。
清水さんは、しっかり役割を果たしていた。

なにかいいところはないか、と探すと、この映画を観た多くの人が感じるであろうことだが、
助演の黒木華のはっちゃけぶり素敵だった。
おしとやかな役が多い黒木さんだが、今作で見せたコメディエンヌぶりは見事。
黒木さんが出てくるシーンだけはにやけた。

「甘いお酒でうがい」は、困った映画。
シソンヌさんの笑いも、
「勝手にふるえてろ」のひらめきも期待してはいけない。
昼食後に観に行くときっと意識を飛ばされる。

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