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映画評 「映像研には手を出すな!」 [映画評]

今年の冬、NHKで放送されたアニメ版の「映像研には手を出すな!」に、はまった。
熱く楽しくわくわくするストーリーと、
凄い作画。
後半、ちょっとダレた感はなきにしもあらずだが、傑作アニメだった。
それが実写化されるということで、楽しみにしていた。

映像研の主要メンバーは3人。
極度の人見知りで、自分のことを「ワシ」「あっし」などという変わり者が浅草みどり。
アニメ制作では「設定が命」。
ゴリゴリの現実主義者でプロデューサー的役割をするのが金森さやか。
180㎝もの長身で、金策や交渉事を担う。
もう一人が、カリスマ読者モデルで、両親も有名俳優の水崎ツバメ。
アニメーター志望だが、両親にはアニメにかかわることを強く反対されている。

この3人を実写化する際、ルックスを原作に寄せるなら、
水崎さんのみ美少女系にし、金森さんは超長身の人、浅草さんはとにかくやぼったい人、
となる。
しかし、実際には浅草さんを齋藤飛鳥さんが演じており、その段階で原作にはちっとも寄っていない。
まあ、原作に寄せればいいというものでもないので、そういうものとして観ることとする。

なのだが、最初は違和感が広がり、作品に入り込めなかった。
回想から始まる展開も違和感ありまくりで、
これはせっかくの素材を活かしきれなかったか、と思った。

しかし、映画が進むにつれ、
3人にも慣れ、
実写であるが故の楽しさにも乗れるようになり、
あれ、ちょっとグッと来たりして。
ツッコミどころや、あそこはもっとこうしたら、もたくさんありつつ、
まあ、そんなことはいいじゃないかと吹っ切れ、十分に楽しんだ。

もちろん、傑作でも佳作でもない。
だが、これだけ楽しければ十分。
いろいろな映画やテレビ番組のパロディがあり、
それがすべてはまっているかというとそうでもないし、
原作か、アニメか、ドラマか、どれかに触れていないとピンと来ないだろうし、
山場もそれなりな感じ。
でもまあ、十分。

監督は、英勉さん。
英監督の作品では「ヒロイン失格」が大好きなのだが、それ以降はがっかりすること少なからず。
今年の初めに公開された「前田建設ファンタジー営業部」は楽しかったが、
夏に公開された「ぐらんぶる」がさっぱりだったりして。
なにはともあれ、アイドルを使った映画を撮らせたら第一人者と言えるだろう。
本作も、しっかり実写映画として成立させている手腕は見事。

乃木坂の3人以外では、浜辺美波さんが不思議な役で出演。
主要キャストとの絡みは一切なし、というあまりないパターン。
新所沢レッツシネパークのコマーシャルビデオに出演されている小西桜子さんが生徒会長役で出演。

「映像研には手を出すな!」は楽しい映画。
ちょっと予習しておいた方がより楽しめるが、初見で行ってもなんとかなる。
残念な部分も多々あるので、原作ファン、アニメファンの方は、ハードルを上げ過ぎずにご覧いただきたい。

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エンゼルス大谷の残念過ぎる2020シーズン [ヨモヤ]

エンゼルス大谷にとって、2020年は希望に満ちたシーズンになるはずだった。
2018年に右ひじ手術をして、2019年は二刀流を封印、
2020年は満を持しての二刀流復活の年だった。
コロナ禍によって開幕が遅れたが、
それも調整が十分ではなかった大谷には好材料となるはずだった。

最初に異変を感じたのは、1年10か月ぶりの実戦のマウンドとなった紅白戦。
制球が定まらず、ストライクが入ったのは全50球中15球。
このストライク率は野球を始めたばかりのド素人さんよりもひどいくらいであり、
調整中云々というより何か問題があるのではないかと感じさせるに十分だった。
故障の再発かどうかはわからないものの、
ボールがどこにいくかわからず、小手先で加減しようとするから、なおさらぶれてしまう。
マウンドに上がれる状態ではなかったと言えるだろう。

不安なままシーズンに入り、首脳陣はこの状態の大谷を先発のマウンドに上げてしまう。
初戦は、ワンアウトも取れずに5失点、やはりストライクが入らなかった。
2戦目も2回持たず。
その後、腕の不調を訴え、投手としての2020年シーズンはわずか1回と3分の2で終了した。
防御率は、あまり聞いたことのない37.80。

以前にこのブログでも書いたが、開幕前の投球で大谷の状態の悪さは十分にわかっていたはずである。
調子云々のレベルではなく、明らかにおかしい。
そのまま登板させ、故障につなげてしまったことは、首脳陣の責任も重いと思う。

それでも、大谷は二刀流。
打ってチームに貢献する道がある。
今年のエンゼルスはレンドーンという大物を補強しており、
トラウト・大谷・レンドーンと並ぶ打線は、メジャーでも注目とされていた。
しかし、残念ながら打つ方もさっぱりだった。
過去2年間で.285、.286だった打率が、.190。
誰にも不振の年はあるが、DHで1割台ではどうにもならない。

私は、ずっと二刀流を応援してきた。
大谷を見るのが好きだし、
未踏の地に挑戦する姿は勇ましかった。
今も、二刀流を続けてほしいと願っている。
しかし、二刀流が許されるのも結果を出してこそである。
投げても打ってもこの成績では、正直なところメジャーに残れる数字ではない。
投げても一流、打っても一流、
であって、はじめて二刀流が成立する。
このままでは、失敗だったとの烙印を押されかねない。

2021年シーズンは、投手としての出場はあるのだろうか。
あってほしいと思う反面、今年のように不安を抱えたままでの投球はやめてもらいたい。
このままでは多くの人が心配していた「どっちつかず」になってしまう。
来年が正念場のシーズンになることは間違いない。
故障のない1年を、
躍動する1年を期待している。

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映画評 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 [映画評]

「言いたいだけやん」
というツッコミがある。
なにやらツボにはまった言葉、妙に心地よいフレーズなどを、意味もなく会話に放り込んできたときに、相手方が言う。
だって、言うだけで楽しくなるんだもん、言うでしょ。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。
ちょっと長いが、フルに言いたくなる。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。
書いているだけで気持ちがよくなる。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。

本作は、京都アニメーションが去年の放火事件のあと初めて完成させた映画である。
本来は、今年1月から公開される予定だったが、放火事件の影響で4月に伸び、
さらに新型コロナウイルスの影響でそれも延期になっていた。
京アニファンとしては特別な思い入れがある作品であろう。

私はテレビシリーズをちゃんと観ていない。
家人が借りてきたビデオで第6話を見て、「こりゃ、すごい」となっただけなので、にわかですらない。
それでも、かなりの高揚感をもって本作の公開を待った。
すごい作品になっているのではないかと期待した。

観た結果、
ううむ、微妙であった。
期待外れ、ということはない。
楽しかったし、心を揺さぶられるシーンもあった。
絵の美しさは言うまでもないが、
声優さんたちの言葉の美しさも胸に響いた。
しかし、佳作ではあっても、傑作とまでは至らなかった。
残念、ということはないが、微妙。

ご存じない方も多いと思うので、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの簡単なあらすじを書くとこんな感じである。
『数年間にわたった大陸戦争が終結。その戦場で“武器”と称され、とんでもない戦闘力を備え、戦うことしか知らなかった少女ヴァイオレット・エヴァーガーデン。彼女は戦場で両腕を失い、義手を付けることを余儀なくされる。戦後、ヴァイオレットは、“自動手記人形”として郵便社で働きはじめる。ヴァイオレットは、戦場で「愛してる」と伝えられたことがあったが。心を持たない武器として育ったために、その意味がわからなかった。彼女は、仕事と日常を通じて人と触れ合いながら、その言葉の意味を探していく』。
なお“自動手記人形”とは、人間の肉声を文字として書き起こせる機械人形のこと。
そこから転じて、人形のように代筆業を行う人間のことも「自動手記人形」と称されていて、養成学校もある。
通称は「ドール」である。

と書かれてもなんのことかわからないかもしれないが、すごい設定である。
自動手記人形、通称ドール。
これだけで何だか魅了されてしまう。

傑作までには行かなかったように感じたのは後半の展開。
ヴァイオレットがずっと思っていた人との再会ができるかどうか、というところであり、
クライマックスなのだが、ここがもう一息。
思っていた人の描き方はあれでよかったのだろうか。
いろいろな要素が、一気に微妙になってしまった。

それでも、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はいい作品。
ゆるい人なら、涙腺崩壊は間違いない。
言葉の大切さにも改めて向き合いたくなる。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
いい響きだ。

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キングオブコント観戦記 ジャルジャルの2本目がなんとも残念 [ヨモヤ]

毎回必ず爆笑となるM-1に対し、
キングオブコントは正直微妙。
優勝すればブレイク必至のM-1(除く、とろサーモン)に対し、
優勝しても微妙なコンビも少なくないキングオブコント。
なのだが、私は毎年キングオブコントを楽しみに見ている。
コロナ禍で、予選から大変だったと思うが、開催にこぎつけられた関係者の努力に敬意を表したい。
一組ずつ振り返ってみよう。

〇滝音
 大食い選手権をネタにしたもの。
 一組目は難しいが、それを差し引いても笑えなかった。

〇GAG
 入れ替わりもの。
 最初の中島美嘉さんの登場は面白かったが、あとはちょっと痛かった。

〇ロングコートダディ
 筋肉系の人との絡みをパロったもの。
 面白かったが、もう二ひねりくらい展開がないと。

〇空気階段
 去年も決勝に進出したコンビだが、あまり印象には残っていない。しかし、今年は素晴らしかった。
 降霊系のネタはよくあるパターンではあるが、二人の演技と音響の力でグッと引き付けるものにしていた。

〇ジャルジャル
 私はジャルジャルが好きだ。
 キングオブコントでもM-1でも、常に彼らに注目し、2本そろえて優勝してもらいたいと願ってきた。
 それほど熱心にではないが、YouTubeもたまに見る。
 質の高い新ネタを量産する姿勢には頭が下がる。
 1本目は、ジャルジャルらしさ満開の佳作。
 笑いが増幅されてくるのが気持ちよかった。

〇ザ・ギース
 もうベテランといっていい二人。
 コント職人という言葉が似合う。
 今日も、ちゃんと面白かった。上位3組に入れるかどうかは、好みとか運の問題。

〇うるとらブギーズ
 印象は薄いが、去年の準優勝コンビ。
 今年のネタは陶芸家。
 設定自体目新しいものではないが、安心して楽しめた。

〇ニッポンの社長
 歌ネタ。
 設定だけに頼ったコントだが、振り切っているとも言える。
 思い切ったことができるコンビは、いつか化ける可能性がある。

〇ニューヨーク
 去年のM-1決勝の1組目で、残念ながら滑った二人。
 キングオブコントでは、見事その敵を討った。
 1本目はまずまずな感じで、私の中では、空気階段、ザ・ギース、うるとらブギーズと横一線。

〇ジャングルポケット
 もうしっかり地位を築いたように思える3人だが、こうして賞レースにも参戦してくる。
 コント魂に乾杯、である。
 今日もいつものように面白かった。
 しかし、いつものように面白いだけでは、コンテストのファイナルにはなかなかたどり着けない。

ファイナルに残ったのは、ジャルジャル、ニューヨーク、空気階段の3組。

ファイナル1組目は空気階段。
定時制高校での淡い恋を描いた作品。
コントであり、笑える要素も満載なのだが、客席も私も、二人の恋の行方に気を取られてしまった。
固唾を飲んで。
二人のキャラクターが見事にはまり、アイデアも満載。
オチにさらに何かあればもっとよかったのだろうが、それでも十分に楽しかった。

2組目はニューヨーク。
やくざの兄貴と子分が、帽子を取る取らないと言い合う話。
ただそれだけのことなのだが、これが面白い。
空気階段に続いて、その先がどうなるか気になる一本。
実に楽しかった。

そして、ジャルジャル。
ジャルジャルはいつも面白い。
ジャルジャルとしては今一つでも、普通の芸人と比べたら面白い。
だから、普通のジャルジャルであってくれれば・・・。
しかし、一体どうしたことか。
2本目のジャルジャルは、これまで見たジャルジャルの中で最低クラスのネタだった。
設定からして面白くないし、発展も展開もない。
なんということか。

優勝はジャルジャル。
ジャルジャルの優勝を長く願ってきたものからしても、実に残念な形での優勝となってしまった。
空気階段とニューヨークが斬新な世界観を提示したあとだけになおさら。
残念。
ジャルジャルのお二人には、
「おめでとうございます」
と伝えたいが、2本目があまりにも残念だっただけに、心からの言葉にはなりにくい。
残念。

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映画評 「TENET」 [映画評]

私はもっぱら邦画を観ることにしている。
邦画だけでも毎週何本もの新作が公開されるので、それを観ていると、とてもではないが洋画までは手が回らない。
もちろん、洋画の方に良作が多いことは十分承知している。
それでも私は邦画を観たい。
同時代の日本人がどんなものを作るのか見届けたい。

だから洋画は厳選して観に行くこととなる。
よほどの話題作か、予告編でグサッと来たか、なんらか理由がないと洋画は観ない。
本作「TENET」は、
「ダークナイト」シリーズなどで知られるクリストファー・ノーラン監督の作品であり、
予告編も魅力的だった。
この映画は観るべきだと感じた。

事前に「難解」との評判を聞いていたが、
いやいや、難解っつったって、メジャー作品なんだし、お客を置き去りってことはないでしょう、
と思ったら甘かった。
時間移動ものはややこしいことが多いが、
本作は展開が速いし複雑だし説明ないし、
で理解するのが大変である。
ただ、これは映画であって、理解力テストをされているわけではない。
無理にわかろうとする必要はなく、ただ楽しめばいい。
楽しめなければ、それはそれである。

私は、というと、期待を高め過ぎたせいか、今一つ乗り切れなかった。
壮大な話なのだが、肝心なところは痴話げんかだったり、
大物のはずが自分からいろいろ手を汚しにきたり、
細かいところが気になった。
映像はすごいし、
この世界観を映画として成立させてしまう腕力にも感服するが、
娯楽作として成功しているかというとそうでもないように感じた。

主演は、ジョン・デヴィッド・ワシントンさん。
デンゼル・ワシントンさんのお子さん。
元プロアメリカンフットボール選手というから、身体能力も折り紙付きである。
イギリスの大ベテラン俳優マイケル・ケインさんとのシーンはとても面白かった。

「TENET」は、監督が作りたいものを作った感じの作品。
私はそうした映画が好きだ。
好きだが、そうした映画が必ず楽しめるかというと別の話。
繰り返し見ればいろいろな発見がありそうで、リピーターになる人もいるだろうが、
私は1回でおなか一杯になってしまった。

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誇っていい 田中将大のメジャーでの7年間 [ヨモヤ]

マー君ことヤンキースの田中将大選手が今シーズン公式戦最終登板のマウンドに立った。
残念ながら有終の美とはいかず、4回5失点で負け投手。

この試合が注目されたのは、今年の最終登板であったのと併せて、
ヤンキースとの7年契約の最終登板となったから。
ビシッと締めたかったところだろうが、なかなかうまくいかない。

もちろん、シーズンはまだ終わったわけではない。
異例に短いペナントレースが終われば、今度は異例に長いポストシーズン。
両リーグで合計16チームが進出し、ワールドチャンピオンを目指す戦いが始まる。
田中は、プレーオフ第1ラウンドのワイルドカードシリーズで、第2戦の先発が濃厚とされている。
不完全燃焼のシーズンを、熱く燃え上がらせることができるかどうか、
ここからが本当の闘いになる。

日本での最終年、田中は24勝0敗というとんでもない成績を残した。
この数字と比較すると、メジャー移籍後の成績はそこまでの輝きはない。
歯がゆく思っている人もいるだろう(実は私もその一人)。
しかし、7年間ローテーションを守り続けた功績は小さくない。
昨年まで、
13勝
12勝
14勝
13勝
12勝
11勝
とすべての年で二桁勝利を上げたのも立派である。

そして、私がなによりすごいと思うのは、
ヤンキースという常勝を義務付けられているアメリカ最高の人気チームにあって、
エースという地位を築いたことである。
絶対的なエースにはなれなかったし、
エースにふさわしい数字かどうか微妙ではあるが、
なにはともあれヤンキースのエースという看板は重い。
最多勝より、
いやサイ・ヤング賞より重いと思う。
日本の野球少年が海を渡り、ヤンキースのエースになる。
漫画の世界である。

田中のポストシーズンでの強さは折り紙付き。
しかも、今年はサイン盗みもない(はず)。
であれば、これまで以上の投球も期待できるかもしれない。
へんてこりんなシーズンだが、一応最後まで勝ち続ければワールドチャンピオン。
7年間の総決算に、すてきなご褒美があるように祈っている。

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日本人はトランプ大統領を信頼している方らしい [ヨモヤ]

アメリカのピュー・リサーチ・センターという調査会社が、アメリカの好感度について調査を実施した。
そのなかで、
「トランプ大統領を信頼しているか」
という項目があり、日本人は25%の人が信頼しているという結果だったようだ。
アメリカという世界一の超大国のリーダーを、
わずか4人に1人しか信頼していないというのはかなり悪い数字かと思いきや、他国と比べるとましらしい。
例えば、
盟友であるはずのイギリスでは19%、
お隣のカナダでも20%、
フランスに至っては11%、
ドイツはさらに低く10%。
つまり、トランプ大統領は全く信頼されていない。
なんでも今回の調査対象となったアメリカとの同盟国13か国中、日本の25%が最も高かったのだそうだ。

トランプ大統領への不信感につられてなのか、アメリカへの好感度も軒並み低下。
日本の対アメリカ好感度は昨年の68%から41%に急減、
イギリスも16ポイント減の41%。
ドイツは13ポイント減の26%、フランスが17ポイント減の31%。
アメリカは、ほとんどの同盟国から好感を持たれていないのが実情である。

アメリカの新型コロナウイルス感染症への対応についても聞いているが、
これについてはすべての国で厳しい数字が出た。
アメリカのコロナ対策は失敗した、
と見るのが同盟国民のコンセンサスのようだ。

もともとトランプ大統領の政策や物言いには眉をひそめるむきが少なくなかったと思うが、
オバマ前大統領の負の遺産を解消しなければならない面や、
安全保障においては多少なりとも強気に出なければならない面もあり、
なんとか許容していた人もいたのだろう。
しかし、世界が一致して対応すべきコロナ禍において、
国際的なリーダーシップを果たすどころか、
自国は最悪の感染者数を出し、
信用しがたい見解をまき散らし、
いたずらに混乱を広げている、
という状況にあって、さすがに許容しきれなくなったということだろうか。

国際的にはこんな見られ方をしているが、選挙は別物である。
トランプ大統領が再選されても少しも驚かない。

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映画評 「事故物件 恐い間取り」 [映画評]

世の中、何がウケルかわからない。
最初この映画の予告編を観たとき、
「え?誰が観に行くの?」
と思った。
しかし、これが意外なヒット。
公開後最初の3週間を1位、1位、2位で飛ばした。
観たい人、いるんだ。

私は観る気はなかったのだが、いろいろ事情があってふらふらと。
劇場内に小学生が多いのにびっくり。
そういう層にヒットしたのか、と改めて。

監督は、ジャパニーズホラーの立役者と言っていい中田秀夫さん。
「女優霊」「リング」などでセンセーションを巻き起こし、
最近は「スマホを落としただけなのに」でもヒットを飛ばしている。
ツッコミどころ満載だった「スマホ」と同様に、いや、それ以上に、
本作は「はぁ?」という展開の連続。
登場人物の行動がいちいち不可思議であるだけでなく、
怖がらせ担当の怪異なものたちも、なんだか不思議な振る舞いの連続。
最後の妖怪大集合的なシーンもつい笑ってしまうが、
ラスボスとの戦いもさすがに笑いを禁じ得ない。
笑いを狙っているのだろうか。
だとしたら、はまっているが。
怖がらせなくていいのだろうか。

話の展開もハチャメチャ。
もう少しきちんとやってくれないと怖がることはできない。
何がしたかったのか、全く不明だが、
結果としてヒットしているので、これでよし、ということなのだろうか。
よいとは思えないが。

主演は亀梨和也さん。
芸人になり切るためか、少し太っているうえに髪型もイケていないので、人気アイドルの面影がない。
役作りが成功したということだろう。
相方役に瀬戸康史さん。
なんだか変な役どころで、お気の毒である。
ヒロイン役に奈緒さん。
こちらも、意味不明な行動の連続でお気の毒であるが、ヒット作で亀梨さんの相手役ということだから、まあよし、となるだろうか。
「カメラを止めるな!」で主人公の娘役を演じた真魚さんも顔をのぞかせていて、こちらはほっこり。

「事故物件 恐い間取り」は、なんというか、真面目に観に行ったらイケナイ映画。
作り手に、
本気で怖がらせる気はないし、
いい映画を突き詰める気もない。
ごくごくライトな気持ちで、
ツッコミどころ探し大会、といった覚悟で観ると楽しめるのかもしれない。

タグ:事故物件
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そもそも初登庁時の花束でのお迎え自体必要なのかしら [ヨモヤ]

菅新内閣の発足に伴って、文部科学省で新副大臣と大臣政務官の初登庁が18日の夜に行われた。
さらに、その後、記者会見も開かれたという。
登庁のお迎えが夜の10時頃から、さらにその後の記者会見は日付をまたぐ深夜となったことで、
そんな時間にやるべきことなのかとの疑問の声が上がっている。

文科省での初登庁と職員の出迎えからの会見の流れは、慣例に従って行われたらしい。
日を遡る16日の夜に首相官邸で新閣僚の記者会見が行われ、それが延々と深夜まで続いたことに対し、河野行革担当大臣が、
「こんなものさっさとやめたらいい」
と苦言を呈されていたが、その声は文科省には届かなかったようだ。

なんでも当日は、
副大臣については午後10時頃、政務官については午後11時頃、それぞれ登庁され、
文科省幹部をはじめとした職員100名以上が待機して出迎え、
執務室までの廊下に並び、花束を渡したり拍手したりしたのだという。

夜の10時、11時まで、職員はこのために待機していたのだろうか。
若しくは、文科省ではこの時間まで残るのが普通なのだろうか。
どちらにしても首をかしげざるを得ない。
折しも文科省では、「働き方改革推進強化月間」だったという。
もろもろ、大丈夫かしら。

そもそも大臣や副大臣などが初登庁される際、拍手と花束でお迎えするということ自体、必要なのだろうか。
直属の上司が着任したというときに、拍手・花束はどうも違和感がある。
仕事をしに来られたのだから、執務室でしっかり挨拶すればそれでいいように思える。
勘ぐり過ぎかもしれないが、拍手・花束は、
「短い期間ですが、しっかりおもてなしいたします」
という気持ちの表れのように感じられてしまう。
一緒に仕事をする仲間というより、「通り過ぎるお客様」と考えているのだろうかと。

河野大臣が一石を投じられたように、「あれ?」と感じたら見直すチャンスである。
花束でのお迎えはそれほど大きな話ではないが、現場の一人一人にしてみれば、
「こういうことを続けているからうちの職場は」
ということにもなりかねない。
お出迎えに限らず、慣例でやってしまっているものについては、
そもそもなぜこれをしていて、それにはどんな合理的な意味があって、手法としてその効果は上がっているだろうか、
といったことを落ち着いて考えたい。
どうも慣例に従っているだけで、
それを直すのがなんとなく嫌なだけで、
続ける意味はほとんどない、
ということであれば、思い切ってやめてみよう。
大きな改革を進めるためにも、ちょっとした一歩を積み重ねていくことが大切だと思うから。

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映画評 「喜劇 愛妻物語」 [映画評]

最初から最後まで妻が夫を口汚く罵る映画である。
ホームドラマ的な愛情のある悪口ではなく、耳をふさぎたくなるような罵詈雑言。
とても子供には聞かせられない。
気分が悪くなる人もいるかもしれない。

しかし私はこの映画を楽しんだ。
ひどいことばっか言うなあ、と思いながら、なぜかにやにや楽しんだ。
この映画を楽しく観ることができる人を好きだな、と思った。

一方、こんな映画、大嫌いだ、と思う人もいるだろう。
いくらなんでもひどすぎる、と感じる人もいるだろう。
そういう人のことも好きだな、と思う。

喜劇、というだけあって、笑えたという人もいるだろう。
喜劇、というのにちっとも笑えなかった、という人もいるだろう。
観る人を選ぶ映画、というのとは少し違うと思うが、人によって楽しめるかどうかが大きく変わる作品ではあるだろう。

主人公は、売れない脚本家。
稼ぎが少ないこともあって、妻に散々責められている。
ネチネチ言われているどころではなく、盛大に。
久しぶりに仕事がものになりそうになり、香川に家族連れでシナリオハンティングに行った際に起きる騒動を描いている。
コメディ作品であり、何もかもが大げさ、ドタバタ。
ただし、PG12作品であることが示しているように、ほのぼのはしていない。

原作・脚本・監督をまとめて果たしたのが足立紳さん。
『百円の恋』で日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を獲得された方である。
本作は、私小説的要素もある作品で、まさに足立さんの足立さんによる映画。
撮りたいものを撮った、という躍動感が伝わってくる。
なんでこんなものを撮りたいのよ、と思う人も少なくないだろうが、こういう人こそ映画を作る人なのだ。
映画らしい映画であったとも思う。

駄目な夫役を濱田岳さんが演じる。
どんな役もこなしてしまう濱田さんだが、駄目な役は失礼ながらはまり役。
本作もお見事。
濱田さん以上にスクリーンを制圧していたのが妻役の水川あさみさん。
本当にひどい女の役で、よく受けられたと思う。
素晴らしかった。

「喜劇 愛妻物語」を私は楽しく観た。
ストーリーらしいストーリーもなく、ただただ夫が妻に虐げられている映画なのだが、
最後の泣き笑いのところでは私はにやにや笑いを禁じられなかった。
監督は、悲惨の中に笑いがあることをよくご存じだ。
喜劇、というタイトルに惹かれて、気楽に笑おうとして観に行くと火傷をしてしまうので、ご用心のほどを。

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