SSブログ

参議院議員選挙で議論は深まったか [ヨモヤ]

二院制については、フランスの政治家シエイエスが主張したとされる以下の言葉が有名である。
それは、
「第二院は第一院と同じ意思決定をするのなら無駄である。
また、異なる意思決定をするなら有害である」
というものである。
つまり、どちらにしてもいらない、ということになる。

日本の参議院についても、ずっと以前から「参議院不要論」というものがある。
多くの国が一院制であり、
ましては連邦制でない日本に二院はいらないし、
参議院の独自性も特に見られない状況では、
不要と言わざるを得ない、というわけである。

ただし、実際に参議院を廃止するためには、
憲法を改正しなければならないし、
国会議員がそうしようと思うはずもないから、
参議院はずっとずっとあり続けるだろう。
であれば、できる限り意味のある議会となることが国民にとって望ましい姿となる。

参議院は良識の府とされ、
任期が6年間と長いことから、
腰を据えた議論が可能とされている。
今回の選挙で、そうした議論がなされただろうか。
そうはなっていなかったというのが国民の実感ではないだろうか。

今回はねじれとはならなかったが、
衆議院と参議院の議席数が食い違うと、国政に大きな影響が出る。
不要と言われることの少なくない参議院だが、
持っている権限は小さくない。

是非国会では、腰を据えた議論をお願いしたい。
衆議院と参議院がはっきりした役割分担をするといったことも考えていいのかもしれない。
あってよかった、と実感できるようなそんな参議院であってほしい。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ナワリヌイ」 [映画評]

政治と暴力とは、切り離せない関係にある。
切り離せればいいのだろうが、それは決してできない。
比較的暴力との距離が遠かった日本でも、起きてはいけないことが起きてしまった。
しかし、政治と暴力の距離がもっともっと近い国はいくらでもある。
例えばロシアとか。

映画のタイトルは、ロシアの政治活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏から取ったもの。
本作は、反体制派として知られる氏が、自らの毒殺未遂事件の真相に迫るドキュメンタリー。

ナワリヌイ氏は航空機内で毒を盛られ、
その後、ドイツの病院で療養し、健康を取り戻した。
そして、市民の有志たちで構成される調査組織の協力を得て、
暗殺に加担したと思しき容疑者たちに接触し、
暗殺の真相を突き止めようとする。
直接電話して、かまをかけて、聞き出すというやり方で、
その一部始終が記録されている。
見ていてザワザワするシーンであり、ここが最大の見せ場である。

ナワリヌイ氏は、帰国すれば逮捕されると予想されているなか、
あえてロシアに帰国し、やはり拘束された。
空港には多くの支持者が集まり、その逮捕に義憤を覚えていた。
ロシアにも、プーチン政権のあり方はおかしいと考える人がかなりの数おられる。
そして、警察に弾圧されることを承知で抗議活動をされている。
その当たり前のことを見せている。

とはいえ、プーチンの体制は強固で、
ナワリヌイ氏側にとっては絶望的な状況に思える。
そんななか、最後にこんなメッセージを残して支持者を勇気づけている。
詳しく何を語ったかは劇場で確認していただきたいが、
概略としては、
「本当は、我々は強大な力を持っている」
「悪が勝つのは、善が何もしないから」
といった内容だった。
噛みしめたい言葉である。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

ご冥福をお祈りいたします [ヨモヤ]

安倍晋三元首相がお亡くなりになった。
67歳という年齢はまだまだお若い。
やりたいと思っておられたことはたくさんあっただろう。
残念だし、
なんというか、悔しい気持ちがこみ上げてくる。

安倍元首相は、強力なリーダーシップを発揮された方であり、
それゆえに熱心な支持者もおられれば、
強力な反対者もおられた。
ただ今は、
今回の事件に対して同じく憤り、
安倍元首相の死を悼むべきだと思う。

政治家の本当の価値は、歴史が評価するものだろう。
安倍元首相については、
在職期間の連続2822日、通算3188日という長さが伝えられているが、
ここに真の価値があるわけではない。
一方、世界中の首脳から寄せられる哀悼の言葉には意味があると思う。
安倍元首相は、世界に知られるリーダーであった。

アベノミクスの功罪についても、これから長く語られ、議論され続けていくだろう。
現時点でどう見えるかだけではなく、
安倍元首相が再登板されたときの日本や世界の状況を踏まえて、
しっかり検証されることを願う。

今回の事件を思うと、
悔しいという感情があふれてくる。
しかし、怒りに流されず、静かに故人を悼むべきなのだろう。

ご冥福をお祈りいたします。
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

オグリワンという奇跡 [ヨモヤ]

オグリワン号が亡くなったというニュースを読んだ。
老衰だったそうだ。
30歳。

オグリワン号は、稀代のアイドルホースだったオグリキャップ号の最初の産駒。
初年度産駒というだけでなく、種牡馬になって最初に生まれた子ども。
オグリキャップは超人気者だったので、オグリワンは生まれたときからやたらと注目されていた。

しかし、サラブレッドが中央競馬でデビューして、
1勝を上げるのは大変なこと。
ましてやダービーに出るなどとなると、とんでもなく小さな確率になる。
注目された馬がそのように出世できるのは本当にまれなことである。

競走馬として傑出した成績を残したオグリキャップだったが、
種牡馬として成功することはできず、
重賞勝ち馬を生み出すことはできなかった。
そんななかで、最初に生まれたオグリワンが、
勝利を挙げ、
オープン特別を勝ち、
重賞で2着に入り、
皐月賞とダービーに出走した、
というのは神がかり的な確率の快挙だった。

オグリワンの戦績は、
中央で19戦2勝、地方で90戦5勝。
一流馬というにはほど遠い成績である。
しかし、彼の活躍は、オグリキャップが最後に起こした奇跡だったと言える。

オグリキャップの最初の子として注目を一身に浴びて育ち、
100戦以上のレースを走り、
老衰で旅立ったオグリワン。
幸せな生涯であったことを祈りたい。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

BSテレ東「タタムなんてもったいない!」が面白い [ヨモヤ]

私の朝は、「ニュースモーニングサテライト」で始まる。
20年以上変わらない習慣である。
そして、「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」といった番組を欠かさず観ている。
テレビ東京さんにえらくお世話になっていることになる。

そのテレ東さんで、この頃特に面白いのが、
BSテレ東で日曜夜10時30分から放送されている
「タタムなんてもったいない!」
という番組である。

番組ホームページを見ると、以下のように紹介されている。
“「事業の継続が困難」「承継者がいない」などの理由でタタもうとした会社やお店。
それを承継した『成功例』の一部始終を見せる、“事業承継”ドキュメンタリー!“

30分番組で、承継に当たってのあれやこれやの苦労話が語られるのだが、
これがリアルで面白い。
「成功例」と謳っているが、実は山あり谷ありであり、
「こりゃ、大変だ」
とうなってしまうこともある。
事業承継と言っても、従業員を数十人抱えるような企業ではなく、
小さな飲食店や町工場などが取り上げられていて、
それだけに生々しく伝わってくる。
え、そんな承継の仕方があるんだ、と驚かされることもしばしばである。

番組MCは、極楽とんぼの加藤浩次さん。
加藤さんMCの経済番組と言えば「がっちりマンデー」だが、
番組の満足度、対象への掘り下げ度ではこちらの方が上だと思う。
これを毎週放送するのは大変だろう。
スタッフの皆さん、頑張ってください。
楽しみにしています。

BSテレ東で日曜夜10時30分からの放送、というのが若干ハードル高めかもしれないが、
録画してご覧いただく価値があるものと思う。
面白いし、元気が出る。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「エルヴィス」 [映画評]

バズ・ラーマン監督作品。
バズ・ラーマンと言えば、
一般に「ロミオ+ジュリエット」「ムーラン・ルージュ」という作品が挙がるのだが、
個人的に忘れられないのは監督デビュー作だった「ダンシング・ヒーロー」という作品。
わかりやすいクライマックスシーンにしびれた記憶がある。
これが1992年の映画で、かれこれ30年前。
まだ覚えているくらいだから、よほど印象深かったのだろう。

「ダンシング・ヒーロー」も音楽映画であり、
本作でも、同じような快感を得られると期待したのだが、
あれまあ、なんとも不完全燃焼。
エルヴィスの歌を楽しむこともできないし、
物語に酔うこともできない。

フレディ・マーキュリーの半生を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」の大成功の後、
ビッグネームの伝記的音楽映画が作られるようになった。
本作もその系譜に連なるものだと思うが、
ちょっと苦い面に寄り過ぎた気がする。
甘い成功物語にしたくないという思いがあったのかもしれないが、
徹頭徹尾暗い話にされては観ている側はしんどい。

なぜそうなったかというと、エルヴィスのマネージャー役の存在がいやらしく、
しかもそれを描き続けたから。
トム・ハンクス演じるこのマネージャーが、
エルヴィスの行く手をことごとく遮る。
屈折していてもなんでもいいから愛のかけらがあればいいのだが、
それすらも見えてこない。
実在の人物で、悪名高いらしいのだが、
なぜこの人にスポットライトを当て続けたのか。

プレスリーを演じたのは、オースティン・バトラー。
プレスリーの明るさ激しさ弱さを見事に演じ分け、
歌唱シーンも絶品。
おそらく代表作になるだろう演技だった。

「エルヴィス」は、なんともしんどい映画。
キング・オブ・ロックンロールを描くにしては、暗過ぎる。
成功者にも暗い面があるのは当然だが、
本作はちとしんど過ぎた。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ベイビー・ブローカー」 [映画評]

第75回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞及びエキュメニカル審査員賞受賞作。
佳作を次々に生み出す是枝裕和監督がメガホンを取り、
「パラサイト 半地下の家族」などのソン・ガンホさん、
「空気人形」などのペ・ドゥナさんなどが出演。
撮影・音楽にも、韓国映画界の精鋭が参加している。

赤ちゃんを売買するブローカーを描くのだが、
彼らは悪人というわけではない。
むしろ憎めないドジな存在、という感じ。
テーマも、韓国社会の暗部を描く、
というものではまったくない。
もう少し軽く、コミカルな感じ。

バラバラに集まった面々がいつしか疑似家族のようになっていく。
是枝監督の傑作「万引き家族」と同様に。

的確な演出とセリフ、俳優陣のしっかりした演技で、
楽しく観ることができる。
ただ、あちこちストーリーに無理が生じている。
ラストの展開も強引過ぎるというか、無茶というか。
わかりにくくもあって。

改めて「万引き家族」はまさにパーフェクトな傑作だった。
アカデミー賞を受賞した「パラサイト」がかすむほどに。
それと比べると本作は、ちょっと甘い点が多過ぎる感じがした。
エンタテインメント作品として楽しめはするけれど、
凄いものを観た、という気持ちにはなれなかった。

6月29日のNHK「クローズアップ現代」が、韓国で撮影に臨む是枝監督を特集していた。
そのなかで、韓国の国立映画学校が取り上げられていた。
「パラサイト」のポン・ジュノ監督もそこの出身らしい。
国を上げてクリエーターを育てる姿勢は、日本も大いに参考にするべきと感じた。

「ベイビー・ブローカー」は、楽しく観られる娯楽作。
「万引き家族」のような傑作を期待すると「あれ?」とはなるけれど。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

本当に毎日一冊ずつ読んでるんですか~? [読書記録]

「一年に何冊くらい本を読むんですか~?」
と聞かれることがある。
冊数を数えているわけではないが、読んだ本は手帳に記録していて、
ペースとすると一日一冊以上読んでいることになる。

と答えると、
「え~、ほんとに一日一冊ずつも読めるんですか~?」
「速読でもやってるんですか~?」
「ちゃんと読んでるんですか~?」
などと突っ込まれることがある。

一年に1,000冊以上本を読んでいるという方もそれなりにおられるだろうから、
私など大した本読みではないのだが、
一日一冊となると、あまり読まない人からすればとんでもないことに思えるかもしれない。

当然のことながら、読み終わるのに数日かかる本もある。
例えば先月読んだ「人口戦略法案」という本は550ページ以上に及ぶ厚い本だったので、
読了に数日は要した。
ただ、いつも数冊並行して読んでいるので、
分厚い本に数日かかっている間に読みやすい本がすらすら読み終わることもある。

読むのは、特別速い方ではないと思う。
一日に数冊読了するような方と比べると遅々としたものであろう。
とは言いながら、
読み慣れている面はあるので、普段あまり本を読まない方と比べれば多少は速いかもしれない。

ちゃんと読んでいるかどうかは、なんとも言えない。
ちゃんと読む価値がある本はちゃんと読むようにしているが、
根拠不明なことが書き連ねてあったり、
誰でも知っているようなことがさも自分の発見のように書いてあったり、
意味不明の偏見に満ちていたりする場合、
さささっと流し読んでしまうこともある。
だから、ほぼ記憶に残らない本もある。

数多く読まないと、いい本に巡り会う機会も少なくなる可能性はあるが、
数多く読めばいいというものでもないと思う。
いい本をしっかり読み、
読み終わったらそれを噛みしめる。
その方が無暗に冊数を重ねるより、いい読書と言えるだろう。
数を競う意味は全然ない。

本を読むのが趣味というより癖のようになってしまっているので、
明日も本を読む。
いい本だといいなあ。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

パのチームは日本シリーズでヤクルトに太刀打ちできるか [ヨモヤ]

ヤクルトが優勝マジック53を点灯させた。
野球を知っている方ならおわかりのことと思うけれど、
通常マジックはシーズンの最終盤に点灯する。
マジックが点ると、いよいよシーズンが押し詰まった感じとなり、
優勝へのカウントダウンが始まる。
それが今年は7月頭に。

ちなみに、7月2日のマジック点灯は、
2003年7月8日の阪神(マジック49)を上回るセ・リーグ史上最速。
パ・リーグまで広げても、1965年7月6日の南海(マジック62)を上回り、
日本プロ野球史上最速となった。

ここまでのヤクルトは、
51勝24敗1引き分けで勝率は.680。
貯金は27に及び、
2位の巨人の勝率がちょうど5割なので、セの貯金を独占している。
交流戦でも14勝4敗でぶっちぎりの優勝を飾っており、
掛け値なしに強い。

パ・リーグファンとしては、
ヤクルトがセで優勝できるかどうかということを飛び越えて、
日本シリーズでパのチームが太刀打ちできるかどうかが気になる。
プロ野球界では長くパ・リーグ優位が続いたが、
交流戦に続いて日本シリーズでも2年連続やられてしまうとなると、
風向きがはっきり変わったと認めざるを得なくなる。

今のヤクルトは投打のバランスが取れたチームになっているが、
なんと言っても三冠王をうかがおうかという村上の存在が大きい。
狭い球場で戦っているのでチーム全体としてもホームランが多いし、
脚を絡めた攻撃もできる。
ヤクルトに勝とうと思うと、打ち合いになっても引かないチームである必要がありそうだ。

一方、今年のパ・リーグはとにかく打てない。
ソフトバンク以外はチーム打率が.240を下回るという体たらくぶり。
オリックスのチーム本塁打31本に至っては、ヤクルト村上の29本とほとんど変わらない。
これでは、がっぷり四つの戦いは難しいのではないだろうか。

今から日本シリーズの心配をするのは気が早過ぎるとは思う。
しかし、パ・リーグファンとしては心配である。
各チームとも、しっかりバットを振れる選手を育ててほしいと切に願う。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

ここのところで読んだ30冊 [読書記録]

ここのところで読んだ本は以下のとおり。

「サービスの正体」
「北浦和のパチンコ店が1000億円企業になった」 野地 秩嘉
「日本のふしぎな夫婦同姓」 中井 治郎
「イラストでわかる日本のしきたり」 飯倉 晴武
「暗号通貨対国家」 坂井 豊貴
「人口戦略法案」 山崎 史郎
「こんなにおもしろいファイナンシャルプランナーの仕事」
「負けない交渉術」 大橋 弘昌
「トライアンフ」 悠木 シュン
「県立コガネムシ高校野球部」 永田 俊也
「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた」 和田 静香
「日本一やさしい税法と税金の教科書」 西中間 浩
「ナラティブ経済学」 ロバート・J・シラー
「一冊でわかる韓国史」 六反田 豊
「バレリーナ 踊り続ける理由」 吉田 都
「グッモーエビアン」 吉川 トリコ
「30分でわかる 得する年金のもらい方」
「あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書」
「不動産登記手続きがよくわかる本」 岡住 貞宏
「プーチンの実像」 朝日新聞国際報道部
「呪文」 星野 智幸
「80分でマスター!ガチ速簿記入門」 金川 顕教
「ブライアン・トレーシーの私の営業方法をすべて公開します」
「量刑相場」 森 炎
「ペーパームービー」 内田 也哉子
「ソウル・サーファー」 ベサニー・ハミルトン
「天才!成功する人々の法則」 マルコム・グラッドウィル
「代表制民主主義はなぜ失敗したのか」 藤井 達夫
「逃亡くそたわけ」 絲山 秋子
「冥途あり」 長野 まゆみ

坂井豊貴さんの「暗号通貨対国家」は、暗号通貨の秘めた可能性について書いている。各国の金利上昇に伴い暗号通貨は大幅に下落しているが、投資先としてではなく、通貨の未来を示す存在として見続ける必要があるのかもしれない。
 
朝日新聞国際報道部の「プーチンの実像」は、2015年の出版。つまり、今回のウクライナ侵攻よりずっと前の様子をとらえている。このころと随分変わってしまったように思えるが、人は複雑なものであり、ひょっとしたらこの頃と何も変わっていないのかもしれない。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事