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映画評 「キャメラを止めるな!」 [映画評]

大ヒットした『カメラを止めるな!』のフランス版リメイク。
監督・脚本を務めたのが『アーティスト』でアカデミー賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウスさんということで期待は高まる。

『カメラを止めるな!』は個人的にも非常に思い入れの強い作品。
インディーズ作品だったが縁あって公開初日に鑑賞し、
その面白さにぶっ飛び、
知り合いを誘いツアーを組んで観に行った。
そんな作品は滅多にあるものではない。

アカデミー賞監督がリメイクする以上、オリジナルを超える何かが足されてくるものと思ったが、
あれ、そうでもない。
むしろ原版に非常に忠実。

もとの設定がとんでもなく面白いので、
本作もそれなりには楽しめる。
しかし、原版を超えるか、
それは無理でも同等かというと、
少なくともオリジナルを観た日本人の目からは遠く及ばず。
前半の30分のフリを回収していく面白さも、
ものづくりへの熱い思いも、
家族愛も、
なんだか中途半端。
役者の演技も今一つ。
改めてオリジナルの面白さを再認識した。
フランス版は設定をなぞっただけという感じ。

今さらながら『カメラを止めるな!』は、すべてが噛み合った奇跡的な作品だったのだとわかる。
様式を真似しても、あの熱量は出せない。
それだけに、以降の上田慎一郎監督の迷走ぶりが非常に残念ではある。
いつかやり返してくれると期待しているが。

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