SSブログ

野球に「流れ」はあるか [ヨモヤ]

野球に「流れ」はあるか?
と聞かれて、「ない」という人は少数派だろう。
いろいろな試合を見れば見るほど、実力の外にある「流れ」の怖さを知ることになるはずだから。

先日、
「野球に『流れ』はない」
と主張されている方についての記事が目に留まった。
そう主張されているのは、鹿児島大法文学部准教授の榊原良太さんという方。
榊原さんは「流れ」を
「試合の状況や展開によって、選手のメンタルが変化し、その後のプレーや結果に影響を与えること」
と定義され、データに基づいて検証されたのだという。

こういう研究は大好きである。
私も以前、「ノーアウト満塁は本当に点が入りにくいか」などを調べてみたことがある。

榊原さんは、検証の結果、流れはないとおっしゃっているのだが、
検証されたデータがちと残念。
それは、「四球やエラーの後は点が入りやすいとされているが、そんなことはない」というデータだったから。
四球やエラーも流れを悪くする要素の一つではあるが、それはごく一部のこと。
流れはもっと大きなものである。
この情報だけで流れはないとするのはあまりにも・・・。

ちょうど、「流れはない論」の反証となるような場面に出くわした。
それは都市対抗野球の決勝戦という大舞台。
東京ガス対エネオスの試合は、東京ガスが1点を先行し、5回の裏には3ランが飛び出し4-0。
その後さらに攻め立ててワンアウト満塁という場面を作った。
ほぼ一方的な展開である。
ここでエネオスはピッチャー交代。
ただでさえキツイ場面だが、2球続けて際どい球をボールと判定されてボール2。
さらに次も外れて3ボール。
試合が壊れる瀬戸際になった。
しかしここからの踏ん張りが見事だった。
しっかりストライクを重ねて打ち取り、次の打者は三振に仕留めたのである。

この瞬間、「あ、流れが変わった」と感じた。
点数の推移だけを見ると、1-0で勝っていたチームがさらに3点を加えて4-0にしたというイニングである。
それなのに、リードを広げられたチームに流れが一気に傾いたように思えた。
テレビの解説の方もそうおっしゃっていたが、正直、誰もがそう感じたと思う。

案の定、というべきか、
すぐ次の回、エネオスは反撃に移り、
デッドボール、ヒット、ホームラン、ホームラン、ホームランで一気に試合をひっくり返してしまった。
「流れ」の恐ろしさをまざまざと感じた都市対抗の決勝だった。

「流れ」は本当にあるか、ジンクスは生きているのか、
そんな論争をするのもスポーツを見る楽しみの一つである。
生命力にあふれている高校生たちの甲子園も、いろいろな見方ができる。
どのチームもなんとか無事に試合ができることをまず祈りたい。
そして、いろいろと語れる試合を見られることを楽しみにしている。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

市船15年ぶりの甲子園からの「恋は光」はいかが [映画評]

全国高校野球選手権千葉大会の決勝戦は、市立船橋高校が木更津総合高校を下し、
15年ぶりの甲子園出場を決めた。

この試合で注目されたのが、吹奏楽部が演奏する応援曲「市船soul(ソウル)」。
神応援曲とされ、これが流れると得点が入ると言われている。

この「市船soul」は、2013年に、当時同校の吹奏楽部だった浅野大義さんが作った曲。
しかしその浅野さんは、2017年、20歳の若さでこの世を去ってしまう。

そして今年、浅野さんの実話を基にした映画「20歳のソウル」が公開された。
吹奏楽部顧問の先生は
「映画公開の年に甲子園が決まり、本当にドラマチック。大義の夢がかなってうれしい」
と話されたという。

さて、その「20歳のソウル」という映画に主演していたのは神尾楓珠くん。
期待の若手俳優である。
そしてその神尾くんが「20歳のソウル」の次に出演したのが
「恋は光」という映画である。
ふう、やっとつながった。

「20歳のソウル」も「恋は光」も、キラキラした青春映画である。
そのきらめき方は両者で大きく異なるし、主人公の男の子のタイプも真逆。
しかし、どちらも青春そのものである。

市船優勝の流れからは「20歳のソウル」となるのだろうが、
映画ファンとしては「恋は光」の方を推したい。
なにやら騒然とした今年の夏だが、ほんわかした気持ちになれる。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「GHOSTBOOK おばけずかん」 [映画評]

夏に子供向けの怪談映画。
ベタだがアリ。
1990年代の半ばに「学校の怪談」シリーズが公開されたが、
毎年楽しみに観ていた記憶がある。(もうすっかり大人だったけれど)
4作撮られて、監督は平山秀幸さんと金子修介さん。
怖くはなかったが、映画として面白かった。

「ゴーストブック おばけずかん」は、怪談に夏休みの冒険を絡めたもの。
思っていたより子供向けだった。
「学校の怪談」シリーズほど胸に来るものもなく。
展開にも意外性なく、驚きなく。

監督は、山崎貴さん。
何を撮っても面白くする監督さんだと思っているが、
このところの数本は、あれ?

主役は子役の面々。
男子3人と女子1人。
演技は、ううむ。
先生役の新垣結衣さんも引っ張られるように、ううむ。

声優陣に釘宮理恵さん、杉田智和さんなど。
あと阪口大助さんがいれば、銀魂コンプリートだった。

「GHOSTBOOK おばけずかん」は、お子様向けの作品。
怖くないので、安心して見せることができる。
喜んでもらえるかどうかは不明。
では大人が喜べるかというと、それはちょっとどうかしら。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

確かに日本映画は漫画原作ばかりだが [映画評]

ENCOUNTというサイトに、
“日本映画はなぜ「漫画原作ばかり」なのか 井筒監督が語る、製作委員会制の弊害”
という記事が掲載されていた。

井筒監督は日本映画の現状について、
「日本映画は日本経済と一緒でまったくダメ。手堅く稼ごう、とにかく採算取れたらいいとしか考えてないから」
と一刀両断し、
委員会方式でリスクを分断して手堅いものにしか手を出さないと嘆いておられる。
クラウドファンディングについても、
「クラウドファンディング?しょんべんみたいな話だよ。人様から2万円ずつもらって、ちりも積もれば1000万円になりました、エンドロールで500人のクレジット出しましたって、そんな映画見たくもないだろ」
とにべもない。

私も日本映画に発想力が貧困なことは、嘆かわしいと思っている。
しょっちゅう映画館に行くので、そのたびに予告編を観るが、
似たようなものばかりだと感じることが多い。
洋画の予告編には、とても思いつかないようなあんな話こんな話が盛りだくさんで、興味をそそられる。
予告編だけで彼我の差を痛感するのは寂しい。

漫画原作が多いことも井筒監督の指摘のとおりで、
その原因や弊害も語られているとおりだと思う。

しかし、漫画原作の中に面白い映画があることもまた確かである。
「ピンポン」や「ちはやふる」など、私の大切な映画も漫画原作である。
だから、漫画原作だから駄目とはならない。
いまどき、ほとんどの映画が委員会方式だが、この形式でも佳作は生まれる。

また、日本映画が全面的に駄目、ということもない。
昨年、濱口監督の「ドライブ・マイ・カー」が世界の映画賞を席巻したのは記憶に新しいところだし、
今年も川和田恵真さんという若手女性監督が「マイスモールランド」という秀作を届けておられる。

映画界の今と昔を知っておられる井筒監督の嘆きはよくわかる。
しかし、
いい作品を作ればそれがどこかで響くという環境にはあると思う。
真っ当な評価を受けられる確率は増している。
我々受け取り側は、
作り手の信念を信じるとともに、
いいものをしっかり評価できる力を身につけたい。。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

暴力に動かされている自覚はお持ちだろうか [ヨモヤ]

安倍元首相が殺された事件以降、
政治と宗教の関係を取り上げるテレビや週刊誌や政治家が増えている。
苦し気にではなく、
ありがちな表現だが、
鬼の首を取ったように扱っておられるように見えることも少なくない。

何を取り上げようとそれぞれの見識だと思うけれど、
今の時期に政治と宗教の関係をテーマにされるということは、
安倍元首相が殺された事件に端を発しているのは間違いないだろう。
つまり、犯人の暴力をきっかけにして動いておられるということになる。
暴力に動かされていることになる。
暴力に乗っておられることになる。

その自覚はお持ちだろうか。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「キングダム2」 [映画評]

本作を観終わるまで知らなかったのだが、「キングダム3」が制作されているようだ。
観ながら、なにやらもやもやしていたが、
ふむ、そういうことか。
本作は3への橋渡しのような作品なのか。
主要キャストであるはずの吉沢亮さん、橋本環奈さんがさっぱり活躍しないのもそれで納得。
ただ、納得したからといってそれがよかったとは思えない。

前作は、非常に満足度の高い作品だった。
スケール感があり、
手に汗握る展開があり、
熱く、
ストーリーも面白かった。
それと比べると今作は。
いろいろやっているので退屈することはないが、
胸躍る感はない。
描かれているのが、
「主人公がこんなところでやられるわけがない」
という感じの合戦だからだろうか。

本作も見せ場はふんだん。
しかし、熱くはなれなかった。

主演は山﨑賢人さん。
しっかりカッコいいが、今回はちょっと騒々しい。
ちょうど「キャメラを止めるな!」が公開されているが、オリジナル版の「カメラを止めるな!」で世に出られた濱津隆之さんが主要キャストで出演されている。
渋川清彦さんの活舌の悪さが説得力を高めていた。
豊川悦司さん、要潤さん、加藤雅也さん、小澤征悦さんといった濃ゆい面々が脇を固める。
大沢たかおさんは相変わらずの存在感。
セリフはほとんどないが、真壁刀義さんがいると戦場っぽくなる。

「キングダム2」は、寄り道のような作品。
しっかり予算はかけられているようだが、続編ありき感が満載。
それは残念だった。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「こちらあみ子」 [映画評]

芥川賞作家・今村夏子さんのデビュー小説の映画化。
森井勇佑監督は、これが長編デビュー。

主人公は広島で暮らす小学5年生のあみ子。
あみ子は、少しというかだいぶ風変わりな女の子であり、周りは彼女に振り回される。
それでも序盤は、
やさしい家族に見守られて元気に過ごしていた。
しかしある事件を境に、
穏やかだった父も、
優しかった母も、
味方だった兄も、
みんなあみ子から離れて行く。
それでも、先生や友達に支えられるのならまだいいが、それも全くない。

この展開はしんどい。
風変わりなあみ子を、
家族が一人も守ってくれない、かばってくれない。
周囲にも誰もいない。
どんな気持ちで映画を観ればいいのかわからなくなってしまった。
厳しい展開が最終盤まで延々と続く。

ラストシーンでのあみ子の元気な声で一気に救われる。
この世で生きていくという決意に胸がすく。
のだが、それにしても。
悪気のない天真爛漫な女の子を誰一人守ってあげない。
それどころか、遠ざけたり暴力を振るったりする。
身内のものまで。
観ていて辛かった。

あみ子役は、オーディションで選ばれた大沢一菜ちゃんという女の子が演じた。
2011年生まれというから、現在11歳。
撮影時は10歳だったろうか。
力強く自然な演技で、映画を引っ張ってくれた。
ただ、後半中学生の役があるのだが、そこは違和感ありありだった。
あみ子だから、違和感あっていいのかもしれないが、しっくりは来なかった。

お父さん役に井浦新さん、お母さん役に尾野真千子さん。
この二人が十分に活かされたとは言いにくい。

「こちらあみ子」は、観るのに我慢が必要な作品。
しっかり丁寧に作られた映画で、その点に好感を持つし、
ラストシーンの見事さに監督の手腕もうかがえるのだが、
家族の描き方がちとしんど過ぎる。
それでも壊れない魂は描けているし、
しんどい映画を撮り切る覚悟もわかるのだが。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

北口選手やり投げ銅メダルの快挙 遠投の参考に [60歳が近づく腰痛持ち 遠投77mプロジェクト]

アメリカのオレゴンで、陸上の世界選手権が行われている。
開会前は、今回で織田裕二さんがキャスターを降板することが話題になった。
日本勢は、
男子競歩で金銀メダルを獲得したほか、
サニブラウンが100mで決勝進出を果たしたことが大きな話題になったが、
なかなかメダルラッシュとはいかない。
それどころか、入賞者もほとんどいないのが陸上界の実情である。

そんななか、快挙が生まれた。
女子やり投げで、日本記録保持者の北口榛花さんが銅メダルを獲得したのである。
投てき種目でのメダル獲得は、オリンピックを含め日本女子初。
体力差、体格差がもろに出る投てき種目でメダルを獲得するとは、
一昔前ならとても信じられない快挙である。

今年私は遠投に挑戦しているが、やり投げは大いに参考になる。
助走のスピードを推進力とし、
身体の回転を活かしながら、
胸を張ってまっすぐ前に力を伝え、
上方向に投げる。
もちろん、長いやりと丸いボールでは投げ方に違いはあるが、
基本はかなり共通している。
私は助走がやたらと苦手で、
助走しようがしまいがあまり距離が変わらないのだが、
北口選手のビデオを何回も見返して、少しでも取り入れよう。

北口選手は技を磨くために、
自らチェコのコーチと交渉し、
現地に乗り込んで指導を受けたという頑張り屋であるらしい。
やり投げという決してメジャーとは言えない競技で、
自分を信じ続けられた強さに感服する。
世界選手権メダリストとなった彼女のこれからの投てき見るのが楽しみである。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

「LOVE LOVE あいしてる」が終わってしまった [ヨモヤ]

7月21日、フジテレビ系列で、
「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」
が放送された。
久し振りにLOVE LOVEが観られる喜び、
篠原さんや拓郎さんの姿を見られる楽しみ、
の一方で、
これで最後、
と思うと、やはり寂しかった。

この番組は、ライブが売りだった。
生ものの感じがよかった。
だから、最終回はお客さんの前で、生放送でできたらよかった。
いろいろあって難しかったことはよくわかるけれど。

放送開始から25年以上経ったにもかかわらず、
吉田拓郎さんは健在で、
KinKi Kidsもバリバリ第一線で、
篠原ともえさんも大活躍。
本当によかった。
まさに大団円。
さすがLOVE LOVE。

拓郎さんの引退もさることながら、
LOVE LOVEが終わってしまうことが寂しかった。
自分の中の一つのピースとお別れする感覚。
しんみりとした番組ではなく、
キムタクやらさんまさんやらあいみょんさんやら奈緒さんやらが思い切り盛り上げてくださったのだが、
なんだか胸にしんと来た。

KinKiのお二人、
吉田拓郎さん、
シノラーさん、
オールスターズのみなさん、
番組スタッフのみなさん、
素敵な番組をありがとうございました。
楽しく、大切な時間をいただきました。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

それでこそ黒田総裁 [経済を眺める楽しみ]

日銀は金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和策の維持を決めた。
一方、4月会合時点で1.9%としていた2022年度の消費者物価上昇率の見通しは2.3%に引き上げた。

日銀の金融緩和策については、否定的にとらえている人も少なくない。
円安、物価高を招いているのは日銀ではないか、というのである。
会見で黒田総裁はこうした意見に対しては、
「日本と米国の金融政策の差が典型的な金利差に表れて、それが為替に影響していると市場が思っていることは事実だと思う。ただ、為替の影響の要素としてはそれぞれの成長率やインフレ、その他金融市場のさまざまな動きがある」
「金利をちょこっと上げるだけで円安が止まるとは到底考えられない。本当に金利だけで円安を止めようという話であれば、大幅な金利引き上げになって経済にすごいダメージになる」
とおっしゃられた。

そのとおりだと思う。

為替は金利差だけで動くものではないし、
もし金利差を埋めようとすれば非常に大きな利上げになるし、
そんなことをしたら経済に大きなダメージになる。
ごく当たり前のことなのだが、
違うことが言われていることもある。
こうしてはっきりおっしゃられるのはいいことだと思う。

さらに、引き続き大規模な金融緩和が必要なのかと問われた際には、
「今の時点で金利を上げたときのインパクトは恐らくモデルで計算したものよりもかなり大きなものになる。私どもとしては金利を引き上げるつもりは全くない。長期金利のプラスマイナス0.25%のレンジを変更するつもりも全くない。粘り強く金融緩和を続ける」
とおっしゃった。

ご指摘は理解できる、でも、
できれば上げたい、でもなく、
「金利を引き上げるつもりは全くない」」
である。
これほど明確なメッセージはないだろう。

もちろん、金融緩和には副作用があるし、
世界の中で取り残されている感もある。
それでも、現状で最も正しいと考えられる金融政策をやり切るのが日銀である。
そして、次元の違う緩和を続けて来たのが黒田総裁である。
ここでもう一押し、というお気持ちだろう。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事