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映画評 「パティ・ケイク$」 [映画評]

 「パティ・ケイク$」と書いて、「パティ・ケイクス」と読む。
$マークがついているが、お金の話ではなく、ラップミュージックによる青春サクセスストーリー。
底辺の人間の逆転劇を描いていて、ラップ版ロッキーのような感じである。
と言っても、アメリカ産で、主人公はダンボとあだ名される風体の女性で、母親アル中で、ストリートでラップで、と来ているから、さわやかな話ではない。
ロッキーより時代も経て、あれよりもっと陰鬱になっている。

なのに、最後が甘々になる。
予定調和的なハッピーエンド。
気持ちいいというより残念だった。
とことん悲惨でもよかった気がする。
というより、滑稽なくらい悲惨に終わるべきだった。
映画はハッピーエンドの方が喜ばれるのは確かだが、丸く収まり過ぎたために、印象はぐっと薄まってしまった。
これならば、「SR サイタマノラッパー」の方が、ずっと苦くてよかった。

ヘンテコリンな映画で、味はあった。
イタイなあ、と思わせてくれるシーンもあった。
もう一押し。
それがなかっただけで、その他多数、に分類される映画になってしまった気がする。
惜しい。

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