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任天堂強し [経済を眺める楽しみ]

任天堂が、2021年3月期の連結純利益予想を従来の3千億円から4千億円に上方修正した。
前期比54.7%増の大幅増益で、過去最高を更新する見通しである。
今年度の好調は、
・新型コロナウイルス流行に伴う「巣ごもり消費」
・「あつまれ どうぶつの森」の大ヒット
といった要因があるが、そうした単年度の要因を外しても任天堂の強さは際立つ。
復活力とでも言うのだろうか。

さかのぼると2000年ごろの任天堂は、苦しい戦いをしていた。
ファミコンやゲームボーイでの成功の後、
ソニーの「プレイステーション」やマイクロソフトの「Xbox」におされ、
自身が発表した「NINTENDO64」や「ニンテンドーゲームキューブ」も振るわなかった。
ソニーとマイクロソフトという世界の超巨大企業に挟まれ、
任天堂の将来は危ぶまれた。

しかし、
2004年にはニンテンドーDS、
2006年にはWii
を発売し、これらがいずれも大ヒット。
2008年には過去最高益を記録する。

しかし、その後Wiiが勢いをなくし、3DSも今一歩。
さらにスマートフォンやタブレットが台頭し、
任天堂のゲーム機が売れなくなっていく。
そして2012年3月期には上場以来初の赤字を計上。
2013年、2014年と続けて営業赤字となったときには、
さすがの任天堂も厳しくなったかと思えた。

しかし、そこから巻き返す。
スマホゲームの供給を始めるとともに、
2017年には、新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を発売。
これが世界で大ヒットとなったのである。

「もうだめか」
と思わせられるようなピンチを何度も迎え、そのたびに跳ね返してきたのが任天堂である。
おそらくこれからも、
「今度こそもうだめか」
という危機を迎えることがあるだろう。
そして、その危機が数年続くこともあるかもしれない。
それでも、きっとやり返す。
そういう会社である。

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