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平均寿命の推移から見えるアメリカ社会の深刻な現実 [ヨモヤ]

医療の進歩や住環境の改善などによって、ほとんどの国において平均寿命は延びている。
そのなかで珍しい例外が世界一の超大国であるアメリカ。
2018年はやや持ち直したが、その前2014年から2017年までは3年連続で平均寿命が短くなっていた。
ただでさえそうした状況にある中、2020年にはコロナ禍に襲われた。

米CDC(疾病対策センター)の発表によれば、2020年上半期の平均寿命は、その前年の通年平均に比べて1歳短くなったとのことである。
寿命が短くなるだけでも大変だが、1歳という幅もかなり大きい。
平均寿命が1歳以上短くなるのは、78年前の第2次世界大戦中の1943年以来のことだという。
さらにこれが上半期だけの集計というから、より事態が悪化した下半期ではさらに悪い数字が出てくる可能性がある。

これを人種別に見ると、一層深刻さが増す。
人種別に平均寿命の変化を見ると、
白人が0.8歳短くなったのに対し、
ヒスパニック系が1.9歳、
黒人が2.7歳、
それぞれ短くなったというのである。
同じ国に暮らしていて、この差は大きい。
驚くほど大きい。

中国が激しく追い上げているとはいえ、現段階でアメリカが世界ナンバーワンの超大国であることに異論はないだろう。
政治面でも、経済面でも世界をリードしている。
しかし、その国で平均寿命が短くなっている。
しかも人種によって、生きられる年数に大きな差がついている。
格差云々という通り一遍のフレーズで済ませられるものではない深刻さであり、
危険なものさえ感じる。
自身が所属している人種によって、生きられる年数が大きく違ってしまうのだとしたら、
人々はそれを許容しないのではないだろうか。
危うい。

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