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2020年 日本人の収入は増え支出は減り貯蓄は増えた [経済を眺める楽しみ]

歴史に残るコロナ禍となった2020年。
印象として多くの人が感じているのは、
「日本人の生活が厳しくなった」
というものだろう。
しかし、少なくとも全体像としては、その印象は実態を表すものではない。
むしろ逆である。
2020年、日本人の収入は増え、支出は減り、貯蓄は増えたようだ。

総務省が発表した2020年の家計調査によると、
2人以上の世帯の消費支出は月平均で27万7926円となり、実質で前年から5.3%減ったそうだ。
減少は2年ぶりのことであり、落ち込み幅は比較可能な01年以降で最も大きかったという。
これは多くの人のイメージどおり。
なるべく家にいろ、というのだから、消費は減る。
しかし、収入に関してのデータは、おそらくイメージとは違う。

同調査において、2人以上世帯の実収入は月平均で60万9535円となり、実質で前年比4.0%増えたというのである。
しかも、上げ幅は01年以降で最大だったという。
政府が国民に一律10万円の特別定額給付金を支給した影響が大きい。

さらに貯蓄については、前年から平均17万5525円増えたようだ。
この伸び幅も、比較可能な00年以降で最大。
つまり2020年の日本人の全体像としては、前年より豊かになったということになる。
これは、
「苦しい中でも貯蓄を増やす人もいた」
という話ではなく、日本人は全体として貯蓄を増やしたのである。

テレビで報じられる内容や、
ネットのコメントを見ると、
日本人は大変な困窮状況にあるように見える。
しかし、事実はそうではない。
もちろん、大変厳しい状況に陥っておられる方も少なくない。
それも間違いないし、政治はそこに寄り添う必要がある。
それでも、総じてみれば、日本人はこの1年間で、
収入は増え、支出は減り、貯蓄は増えた。
そのこともしっかり知っておく必要がある。

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