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映画評 「女子高生に殺されたい」 [映画評]

本作のメガホンを取った城定秀夫監督は、
エロ面白可笑しい「愛なのに」という映画に続く今年2作目の公開。
この「女子高生に殺されたい」もなかなかの出来栄えで、
2022年前半は城定監督が持って行った感がある。

「女子高生に殺されたい」というタイトルだけを見ると、
いかにもキワモノであり、安い展開が予想されるが、
本作はしっかり見せる。
心理学的な要素やサイコホラー的な面も絡ませながら。
悪い意味で漫画チックな場面やツッコミどころも少なくないが、
この素材で最後まで興味を保たせるのはなかなかの手腕である。

女子高生に殺されたがる高校教師を田中圭さんが演じる。
超売れっ子の田中さんは数多くの映画に出演されているのだが、どうにも苦手な作品が多かった。
本作では田中さんのよさが引き出されていたように思う。
本作を盛り上げていたのは、女子高生役の面々。
南沙良さんにとっては、いろいろな姿を演じ分けなければならないという大きな挑戦だったが、
しっかりやり遂げられた。
河合優実さんは、若くして信頼できる女優さんの地位を固めつつある。
可憐な役も複雑な役も凶暴な役も、どんどんこなされている。
茅島みずきさん、莉子さんも、役割をしっかり果たされていた。

クライマックスに向かっていくにつれ、
「あららら」という流れもなくはないのだが、
まあ、娯楽作に許される範囲内でなんとかとどまった。

「女子高生に殺されたい」は、なかなか面白い作品。
田中圭さんのファンが楽しめるのはもちろん、
若手女優のファンも十分満足できる。
PG12だが、おどろおどろしくもないし、エロくもないので、ご安心を。

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