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映画評 「猫は逃げた」 [映画評]

本作は、「愛がなんだ」の今泉力哉監督と「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫監督が、お互いの脚本を提供し合い、R15+のラブストーリーを制作する「L/R15」企画の一本。
今泉さんの脚本で城所監督がメガホンを取った「愛なのに」がやたらと面白かったので、城所さんの脚本を今泉監督が演出する今作も期待が高まった。

のだが、残念。
脚本がイマイチなのか演出がはまらなかったのか、どちらかよくわからないが、
「愛なのに」とは違い、まったく楽しめなかった。

R15+なので、それなりにそういうシーンもあるが、
ちっともエロくない。
ストーリーがつまらないうえに
エロさもない、
とあっては何を楽しめばいいのか。

グダグダした感じで映画が進むのは今泉監督らしくはあるが、
今回は共感できる登場人物がおらず映画に入り込めない。
一種のコメディであり、そんなに肩ひじ張ってみるものではないとわかっているが、
それにしても。
そのうえズブズブのありがちな展開になってしまったので、
後半にかけて盛り上がることもない。
今泉監督作品は、
「his」「街の上で」「あの頃。」「かそけきサンカヨウ」
と立て続けに楽しめたのだが、今作ではそうはいかなかった。

中心となる4人の男女を、
山本奈衣瑠さん、毎熊克哉さん、手島実優さん、井之脇海さんが演じる。
皆さんの演技に文句はないし、
しっかり濡れ場も用意されていたが、どうにも感じなかった。

「猫は逃げた」は、ふわふわした都会の男女の恋模様を描く作品。
今泉監督らしくはあるのだが、いつもの切れ味は伝わらなかった。

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