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オタクは生きているか? [ヨモヤ]

かつて「オタク」というと、
日陰の存在で、
ちょっと危ない感じでとらえられたりしていた。

危ない、というとらえ方はちょっと偏っている気がするが、尖がった存在ではあった気がする。
オタクという言葉の定義は難しいが、
かつてのオタクは、

特定の対象に対して尋常ではないレベルのこだわりを持ち、
その対象への深い造詣と想像力をもち、
情報発信活動や創作活動などを行っている人、

みたいな感じだったと思う。

ちなみにオタキングこと岡田斗司夫さんによるオタクの定義は、
「好きなものを自分で決められる知性と偏見に屈しない精神力を持っている人たち」
というものであるそうだ。

特定の対象を深く鑑賞するためには、
古今東西森羅万象に関する知識と審美眼が求められる。
かつてのオタクは、その細い道を歩いている人だった気がする。
求道者、という表現は行き過ぎだろうか。

市場調査会社の矢野経済研究所分野別のオタク人口推計というものを発表した。
これは、
15~69歳の男女1万人を対象に、
「オタクを自認」か「第三者からオタクと認知されている」とした人に、
アンケートをとったもの。
一般の人ではなく、オタクを自覚している人か他から認知されている人が対象となっているのがミソである。
ここから全国的な数値を割り出すと、
アニメオタクが685万人
漫画オタクが648万人
デジタルゲームオタクが454万人
アイドルオタクが361万人
となるそうである。

若干お遊び的なニュアンスもある調査だと思うのでそんなに真に受けることもないが、
この結果ではオタクの範疇に属する人が、何千万人もいることになってしまう。
先に書いたオタクの定義どおりなら、
オタクの道は狭く険しく、何千万人もが通れるはずはない。

これだけの人数がオタクを自認しているとなると、
オタクが市民権を獲た、
とも言えるかもしれない。
しかし、市民権を獲たオタクってなんだ、という気もする。
これだけ増えてしまうと、逆にオタクは生きているのかしらという気にもなる。

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