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映画評 「月の満ち欠け」 [映画評]

映画のホームページには、
“「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という強い願いが起こした、あまりにも切なすぎる愛の奇跡”
とある。

本作は、「生まれ変わり」をテーマとした映画である。
んな非科学的な、と頭から否定してしまってはいけない。
かなり強引な物語展開なのだが、結構胸に来るものがあった。

恋愛模様は割と単純。
どこにでもある、と言えそうな出会い。
しかし、それでいい。
それでちゃんと伝わる。

見どころの一つは、
1980年代の高田馬場の風景が再現されているシーンの数々。
駅前の甘栗屋さんやムトウ楽器の看板、早稲田松竹など、
知っている人からすればセピア色のなつかしさ。
巨大セットを作って撮影されたという力の入れ具合である。

出演は、大泉洋さん、柴咲コウさん、目黒蓮さん、有村架純さんの4人を中心に、
子役たちが重要な役割を果たす。
大泉さんは、さすがの存在感で映画を引っ張る。
柴咲さんも控えめながら役にピッタリはまっておられた。
目黒さんは健闘、
有村さんは貫禄。

監督は、廣木隆一さん。
このひと月足らずの間に、
「あちらにいる鬼」「母性」
に続いて3本目の劇場公開となる。
コロナ禍での撮影の関係でこんなみょうちきりんなことになるのだろうが、
このあたりの配慮の無さが邦画の悲しいところである。
同じ監督の映画をダブらせるどころかトリプらせてどうする。

それはそれとして、映画はそれなり楽しめるもの。
子どもがいたりするとなおさら刺さるものがある。

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