映画評 「ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ」

世代的なこともあって、「スラムダンク」はまったく通らなかった。
タイトルくらいは知っているが、
漫画を読んだことはなく、
アニメも一度も観たことがなかった。

なもので、主人公が誰かさえ知らなかった。
本作では、宮城リョータという選手が中心に描かれるのだが、
原作は桜木花道という度外れた感じの選手の成長物語であることを後で知った。

そんな完全な一見さんからすれば、
この映画は十分に楽しめるものだった。
原作ファンの皆さんからは、
悲鳴に近いレビューが書き込まれている。
これじゃない、という感じらしいのだ。
「ドカベン」を観に行ったら、
山田太郎ではなく微笑三太郎主役で描かれていたといったな感じなのだろうか。（違うか）
しかし繰り返すが、
一見さんにとっては十分に楽しめる映画であった。

確かに回想は多目だし、
トーンは暗いし、
リョータ以外の掘り下げはえらく浅い。
だとしても、臨場感たっぷりにバスケットを楽しめた。

声優さんの交代が不評らしい。
一見さんはまったく違和感なく観ることができた。
また、そこにこだわるのもどうかと思う。
新しい命を吹き込まれた作品としてご覧になってはいかがだろうか。
大切なエピソードが盛り込まれていないとの嘆きも見られるが、
違う角度からの作品を作るのも誠実なあり方だと思う。

一見さんは、しっかり熱くなれた。