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父と比較され続けるなか、立派にやり切った福永祐一騎手 [ヨモヤ]

刻んできた数字だけを見ると、
福永祐一騎手は歴史的名ジョッキーである。

通算勝利は、武豊騎手、岡部幸雄騎手、横山典弘騎手に次ぐ歴代4位、
GⅠ勝利数は歴代3位、
ダービー3勝は武豊騎手に次ぐ歴代2位、
12年連続の年間100勝はJRA史上最長。

しかし、これだけの成績を残しながら、
名手と謳われることはあまり多くなかった気がする。
むしろ、騎乗ミスを揶揄されることの方が多かったのではないだろうか。
その原因の一つは、偉大過ぎる父の存在である。

福永祐一騎手の父、福永洋一さんは、
天才の中の天才、
と呼ばれる存在だった。
JRA騎手で天才というと武豊騎手のことが思い浮かぶが、
洋一さんを知る人の多くは、洋一さんに軍配を上げるようだ。
もちろん、比べられるものではないと思うが、
洋一さんの騎乗は、他の騎手とは全く違うものがあったらしく、
それは武豊騎手をも上回っていたと回想される。
若くして落馬による大怪我で引退を余儀なくされたが、
無事だったらとんでもない記録を打ち立てたのではないだろうか。

福永祐一騎手がどれほど活躍しても、決して父は超えられない。
歴代4位の勝利数を上げ、ダービーを3回勝って、
それでも超えられない父って何だと思うけれど、
どんな騎手も洋一さんは超えられない。

福永祐一騎手の耳にも、いろいろな雑音が飛び込んできただろう。
投げ出したくなるときもあったに違いない。
しかし、立派にやり切られた。

福永祐一騎手は、2023年度のJRA新規調教師免許試験に合格され、
来年の2月末をもって騎手を引退される。
これからは、父と比較されることのない自分だけの道を歩まれることになる。

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