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上半期の邦画を振り返る [映画評]

今年の初めに公開された邦画には佳作が多かった。
「とべない風船」「マリッジカウンセラー」「金の国 水の国」「あつい胸騒ぎ」
と次々に見応えのある作品が公開され、
コロナ明けの邦画はすごいのか、
と期待が高まった。

しかし、その後は失速。
気が付くと、いつもと同じ邦画の光景。
「うわ、この映画観たい」
と思わせてくれる企画が少ない。
代わりにあふれるのは、
安易な漫画原作の映画化、
安易なドラマの映画化、
安易な似たようなお話の映画化。

手堅く行かなければならない事情もあるのだろうが、
それが悪循環になっている感もある。

ただし、嘆いてばかりいる必要もない。
大きなムーブメントには至らなかったものの、いい作品も少なからずあったからだ。
例えば、
「あつい胸騒ぎ」
「Winny」
「せかいのおきく」
「波紋」
「茶飲友達」
「マリッジカウンセラー」
「リバー、流れないでよ」
といった作品は、質の高さに加え、作り手の思いが伝わって来て気持ちがよかった。
そうした作品に触れると、こちらの背筋も伸びる。

下半期、さらなる驚きに出会えることを楽しみにしている。
さしあたって、7月に公開される宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」は、どんな作品だろう。
全く宣伝をしない、という奇策を展開されているが、
これがどう出るだろう。
これまでのように大ヒットとなるのだろうか。
宮崎さんの魔法に衰えはないのだろうか。
興味は尽きない。

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