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映画評 「GONZA」 [映画評]

この映画の売りは、
「史上初!5人が入れ替わり!?」
である。

人格が入れ替わる映画は、
大林宣彦監督の「転校生」
新海誠監督の「君の名は。」
など、少なからずあるが、大抵は男女が入れ替わるパターン。
本作ではバラエティに富んだ5人が入れ替わる。

5人入れ替わったからどうだというのか、
という感じはあるが、アイデア一発で映画を作ろうという姿勢は嫌いではない。
一山当たる可能性もなくはない。

残念ながら、本作では一山当たらなかった。
5人が入れ替わるとやはり感情移入が難しいし、
ややこしい話を膨らませるだけの力が演出にも脚本にも足らなかった。

それでも、若手俳優の皆さんが頑張られたこともあり、
完全崩壊した、とまではいかず、
最後までそれなりに観ることができた。
健闘されたと言っていいと思う。

主演の上村侑くんは、なんといっても「許された子どもたち」が鮮烈だった。
眉力、目力がある俳優さんであり、これからもチャンスが回ってくるのではないか。
お相手は坂巻有紗さん。
国籍不明の難しい役をしっかりこなされた。

映画の舞台は奈良。
ここをもう少し活かしたかった。
ちらちらと千年の歴史がどうこう言われるのだが、踏み込み不足。

撮影は、大和ハウスグループのみらい価値共創センター「コトクリエ」という場所で行われたようだ。
ここはなかなか魅力的な場所。
クリエイティブな人間になれそうな気がする。

「GONZA」は、アイデアを十分には活かしきれなかった作品。
しかし、なんだか憎めない。
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