難しい為替相場

ここのところ、ドル／円相場が円高に振れている。
一週間前１ドル／144円半ばだったものが、
7月12日には１ドル／139円を割る水準にまで。
１週間で５円もの円高が進んだことになる。

アメリカの利上げが打ち止めになった、とか、
日本が利上げに転じた、とか、
そういうことなら円高になるのもわかるのだが、
実際には、
アメリカの利上げはまだ続きそうだし、
日本が利上げをするのはもう少し先のことになりそうだ。
そんななかでの急速な円高である。

為替相場は実に難しい。
長期的には国力に見合った相場になる、
という人もいるが、
長期的って、どのくらいの期間をいうのか。
数十年もかかるのなら予想とも言えない。

貿易収支の影響を受けるとか、
購買力平価によるとか、
いろいろな説があるが、正直決め手に欠ける。

夏休みの海外旅行シーズン、円高になるのは日本人観光客としては嬉しい。
インフレの鎮静化にも円高は寄与するだろう。
しかし、円高が進むと多くの企業の業績はマイナスの影響を受け、
株価も下がることになる。

経済界は、
円高になるにせよ円安になるにせよ、
短期間での急激な変動を警戒している。
しかし、相場は大抵行き過ぎる。

為替投資は、上がるか下がるかを予想するだけだから、
比較的簡単であるように思える。
しかし、そんなことはない。
これから投資に向かわれる人も、為替投資は非常に難しいことを、
よく理解してから参入する必要がある。