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昔の暑さと今の暑さは本当に違うか 違うとしたらどのくらい違うか [ヨモヤ]

夏の甲子園に向けた予選がまさに佳境だが、
今年は例年以上の猛暑のなかで行われている。
そうしたこともあってか、高校野球石川大会の決勝戦について馳知事が次のようにおっしゃったそうだ。

「決勝戦の時間帯はおかしいと思います。全国における気象条件の中で昼の12時30分のプレイボールというのは、私は健康の観点から配慮があっても良いという意味でおかしいと思います」

この知事の発言について、ネットのコメントを見ると、
「そのとおり」という声が多いようだ。
「昔の暑さと今の暑さは違うのだから」
というのがその根拠である。

ふむ。
確かに今年の夏は暑いが、本当に昔の暑さと今の暑さは違うのだろうか。
違うとしたらどのくらい違うのだろうか。
これについては、気象庁が過去の気象データを公開してくれているので誰でも確かめることができる。

気温がすう勢的に上昇していることには、誰も異論はないだろう。
しかし、それがどのくらいのものなのか。
実感どおり、とんでもなく上がっているのか。
意外にそうでもないのか。
石川県の県庁所在地である金沢の気温を、
直近3年間の平均と過去の特定の3年間の平均で比較してみる。

まず、2020-2022の7月の最高気温の平均は30.1度であった。
50年前1970-1972の平均は29.7度
100年前1920-1922の平均は29.5度。
確かに上がっていると言えば上がっているが、100年前と比べてもその差は0.6度。
地球環境という観点では大きな数字だが、体感的にはどうだろう。
ほぼ感じ分けられないレベルではないだろうか。

8月の気温も調べてみると、
2020-2022の8月の最高気温の平均は32.0度であった。
50年前1970-1972の平均は31.1度
100年前1920-1922の平均は30.9度。
その差は100年前と比べて1.1度。
つまり、1年当たり0.01度の上昇となる。
どうだろう。
ちまたで言われているほどの、
またそれぞれが感じているほどの差だろうか。

今年の7月は確かに暑い。
しかし、今年以外の近年の夏が、
50年前、100年前と比べてべらぼうに暑いかというと、
必ずしもそうではないことが数字上は明らかである。

暑い日が予想される場合、
高校野球の決勝戦の時間をずらすことは可能だろう。
しかし、1回戦、2回戦まで含めてずらすのはなかなか難しいだろう。
そもそも、昔と今の気温が違うという前提にも疑問があるのはここで見たとおりである。

高校野球となるとみんな熱くなる。
国民的イベントだからそれもよくわかるが、
まあ、落ち着いて。
暑さについても、まずは事実をよく確認して。

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