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映画評 「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」 [映画評]

舞台は新宿歌舞伎町。
探偵役を伊藤沙莉さんが演じ、
相棒に自称忍者の竹野内豊さん。
監督を「ミッドナイトスワン」の内田英治さんと、
「岬の兄妹」の片山慎三さんが務める。
これで面白くならないはずがないと思うが、
これで面白くならないのが映画の難しさ。

6つのストーリーをオムニバス的につなぎ、
1本の作品にしているのだが、
残念ながら個々の作品としてもイマイチだし、
トータルではさらにイマイチである。

歌舞伎町らしくヤクザや外国人が絡んでくるのだが、
とりあえず定番として出している感じ。
風変わりな人間が出てくるのも定番。
ハチャメチャな感じも定番。
驚きも意外性もしっとりもしんみりもない。

何かいい点はなかったかと無理に思い出すと、
北村有起哉さんの存在感がすごかった。
出番はそれほど多くなかったが、北村さんを観る映画としては上出来。

伊藤沙莉さんのよさは、本作ではまったく生きていない。
伊藤さんのように存在感のある女優さんでも、
脚本や演出によってはそのよさがまるで引き出せないことがあるのだという事例を見せてもらった感じ。

「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」は、思わぬ残念な出来。
タイトルもまるでピンと来ない。
内田英治監督と片山慎三監督のお二人の作にして、どうしてこんなことに。

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