大谷が掘り起こした伊良部さんの偉業

エンゼルスの大谷が、６月の月間ＭＶＰを獲得した。
これが自身３度目の受賞で、日本人最多となった。
これまで２度の受賞で並んでいたのは、
野茂英雄さんと伊良部秀輝さんのお二人だった。

このニュースを聞いて、意外の感を持たれた方も少なくないのではないか。
日本人メジャーリーガーのパイオニアとして知られる野茂さんはともかく、
もう一人が伊良部さんだったからである。
イチローさんではなく。

伊良部さんと言えば、
怪物的風格を漂わせるプロ野球選手らしいプロ野球選手だったが、
アメリカに渡ってからは期待ほどではなかったイメージがあるのではないか。
実際、メジャーでは６年で34勝しか上げられなかったから、
大活躍とまでは言えない。
しかし、乗ったときの伊良部さんはメジャーリーガーたちにも手が付けられなかったことが、
２度の月間ＭＶＰが証明している。

残念ながら伊良部さんは、
若くしてお亡くなりになってしまった。
伊良部さんの全盛期の記憶も、
だんだん薄くなっていくだろう。
しかし、大谷の活躍のおかげで伊良部さんの偉業が掘り起こされ、
そのすごさが再認識された。

イチローさんの最多安打のときも、
ジョージ・シスラーさんなど、かつての名選手の名前が浮かび上がってきた。
歴史的な選手が登場すると、
過去の歴史的な選手が思い起こされる。
素敵なことである。