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映画評 「1秒先の彼」 [映画評]

本作は、私は未見だが、
台湾映画「1秒先の彼女」をリメイクしたものである。
原版とは男女を入れ替えている。

脚本は、コメディを作らせたら無類の強さを発揮する宮藤官九郎さん。
監督は「リンダリンダリンダ」「オーバー・フェンス」などの山下敦弘さん。
面白い映画になりそうな期待が募る。

周囲よりワンテンポ早い男性とワンテンポ遅い女性による、消えた一日を巡るストーリー、
というものだが、
テンポが早い遅いという設定は物語で効果を発揮することはほとんどなかった。
だったらそんな設定はなくていいのに。
原版では活きているのだろうか。

主演は、岡田将生さんと清原果耶さん。
ダブル主演のはずが、前半は岡田さんばかり出ているのでどうしたことかと思っていたが、
後半は清原さんが出ずっぱり。
2部構成のような形となっていて、
それぞれの目線で物語が綴られ、
消えた一日の謎が解き明かされていく。

岡田さんも清原さんも、
好感の持てる演技を披露されている。
脇を固めている役者陣の仕事ぶりもいい。
「君が世界のはじまり」「茜色に焼かれる」で印象的な演技を披露された片山友希さんが、
はっちゃけた役を演じられる。
「怪物」の印象的な子役だった柊木陽太くんも出演。

小気味よく映画は進むのだが、
食い込んでくるものはない。
謎が明かされるのだが、説得力は全くなく。
退屈はしないが、熱中もさせてもらえない。

「1秒先の彼」は、まあまあな映画。
この脚本家、監督、主演なら、もっと行けてもよかった気がするが、
まあまあ。

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