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書評 「去年 ルノアールで」 ~ すごい偶然に驚愕 ~ [読書記録]

去年の今頃、新宿のルノアールで打ち合わせをした。
こちらと先方の中間点が新宿だったので、一緒に行った同僚に
「新宿で、話ができる喫茶店を探しといて」
とオーダーしたところ、ルノアールが選ばれたのだった。

ルノアールさんにも、選んでくれた同僚にも大変失礼なことだが、私は「おいおい、ルノアールはないだろう」と思ってしまった。
私の脳裏に浮かんだのは、大学の頃に何回か行った、昭和感満載の、お洒落とははるかな距離のあるお店。
つい、プッと吹き出してしまったのを覚えている。
(行ってみたら、ずいぶんとこぎれいなお店で、ルノアールも変わったなあ、と思った。先入観で判断してごめんなさい。)

一年経ち、同じ人たちと打ち合わせをすることになった。
移動距離が結構あるので、電車の中で読む本を探しに図書館に行くと、「面白本特集」だかなんだかの特設コーナーにあった
「去年 ルノアールで」
という書名が目に飛び込んできた。
こんな本があるのか。
今日、この本に出合う偶然があるのか。
いや、驚いた。

これは、「せきしろ」という人のエッセイ集。
3ページくらいのエッセイがどしどし入っているのだが、すべて舞台はルノアール。
本の出版は2006年だが、当時、毎日毎日ルノアールに通っていたのそうだ。
ルノアールで出会った変わった人たちや、
ルノアールで勝手に繰り広げた妄想がつづられている。
私のルノアール感とぴったり合った内容で、クスクスしながら、じっくり堪能させていただいた。

気になって検索してみると、このゆるゆるの本が、なんとテレビ東京でドラマ化されていた。
2007年に日曜26:30から10分間というディープな時間帯で放送されていたこの番組の主演は、今をときめく星野源さん。
演出は、のちに「モテキ」や「バクマン。」を放つ大根仁さん。
ううむ、さすがテレ東。

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