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書評 「パッと伝わる! 公務員のデザイン術」 [読書記録]

この本の著者、佐久間智之さんは、埼玉県三芳町の職員。
関東地方以外の方は三芳町と聞いてもピンと来ないかもしれないが、富士見市の隣である。
関東地方以外の方はそれでもピンと来ないかもしれないが、ふじみ野市の南である。

さて、自治体職員以外の人はピンと来ないかもしれないが、今、自治体広報が盛り上がっている。
役所の広報誌と言えば、
堅い、
つまらない、
読みにくい、
というイメージだと思うが、それが変わりつつある。
柔らかく、
パッと見の印象がよく
読みやすく、
親しみやすくなってきている。
そして、そのムーブメントの中心にいるのが、この佐久間さんである。
決して大きな自治体ではない三芳町だが、このうねりの発信源となっている。

この本では、広報に限らず、公務員が作成するチラシやポスター、通知文などにおけるデザインのノウハウが詰め込まれている。
役所の作成する告知文は、どうしてもつまらないものになる。
抜けや漏れがないように、
誰かに突っ込まれないように、
と、マイナスからスタートするからである。
しかし、どんなものでも読んでもらって初めて意味を持つ。
そして、読んでもらうための工夫は、何も専門的な技術が必要なものではない。
ちょっとした気持ちの持ち方や発想の転換でなんとかなる。
それを佐久間さんは、いい例悪い例を交えて、わかりやすく伝えてくださっている。

この本は、若い人にも読んでもらいたいが、
もうチラシやポスターは散々作ってきたというベテランにもぜひ読んでいただきたい。
そして、一度読んだらそれっきりとしないで、ことあるごとにこの本を振り返ってはどうだろう。

新たな地平をどんどん切り開いておられる佐久間さんだが、驚異的な仕事量をこなしながら、残業はしないでスパッと帰られるのだそうだ。
もちろん、仕事をしっかり終わらせてからである。
とても素敵なことだと思う。
佐久間さんは特別、とあきらめないで、良質な仕事と良質な私生活を両立できるよう、後を追うものも頑張っていきたいものである。

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