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表現者が「人を傷つけたから」と謝る?  ~ RADWIMPS「HINOMARU」騒動で思う ~ [ヨモヤ]

RADWIMPSの「HINOMARU」という曲が波紋を広げている。
個人的には、一ロックバンドの歌詞について、やいのやいの言う必要はないと思うし、
弱い立場の人を意図的に貶めたりといったごく特別な場合を除いて、
言葉を、特に歌詞を刈ってはいけないと思う。
しかし、悲しいことに、この手の話はよくある。

「HINOMARU」は、RADWIMPSのニューシングル「カタルシスト」にカップリングされている曲。
「カタルシスト」がフジテレビのサッカーワールドカップのテーマ曲ということもあり、この曲も気持ちを上げていく歌詞が並んでいる。
そのうち、
<この身体に流れゆくは/気高きこの御国の御霊>
<さぁいざゆかん/日出づる国の/御名の下に>
といったフレーズが、お気に召さない方がそれなりにおられたようだ。

「軍歌っぽい」
「こうしたフレーズが戦時中にどういう意味で使われたか考えるべき」
というのである。
まあ、そういう方もおられるのだろう。
「愛国心を持つ」ということさえ嫌悪される方もおられるようなので(どういうわけが、そういう方は憲法のことは愛しておられる場合が多いが)、論議を呼ぶフレーズではあるのだと思う。

いろんな人がいる、
けどまあ、よくあることだ、
と思っていたら、RADWIMPSの野田さんが謝罪してしまった。
「傷ついた人達、すみませんでした。」と表現を含む長文をTwitterに掲載されている。
これには驚いたし、とても残念に思った。
自らの作品で傷ついた人がいるからと、表現者が謝るのは、ちょっとどうなのだろうと感じたからである。

とがった作品を作れば、
ギリギリと思いを突き詰めれば、
言いたいことを言うためには、
伝えたいことをとことん考えたら、
時には人を傷つけることもあるだろう。
表現をするということは、辛いことであると思う。
苦しいことでもあると思う。
それでも表現するしかないから表現するのだと思う。

野田さんは、傷つけないことに気をつけながら表現をされているのだろうか。
そこまで追い詰められてしまったということなのだろうか。
謝ってほしくなかった。

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