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歴代最強の高校野球チームは? ~私が選んだのは、PLでも横浜でもなく~ [ヨモヤ]

6月20日付のNumberWebに、
「松坂の横浜か、KKのPLか。高校野球の最強校をプロ野球選手に聞くと……」
という記事が掲載されていた。
高校野球の歴代最強がどこだったのかを考えるのは、野球ファンとしてはたまらないテーマである。
世間がワールドカップ一色のなか、こんなことを考えている。

さて、最強を名乗るからには、夏の大会を制していなければ話にならない。
もっと言えば、歴代No.1となると春夏連覇か、夏春連覇か、夏夏連覇のいずれかが必要になるだろう。
そうした条件を当てはめると、私が知る範囲では、以下の7チームが候補に挙げられると思う。
(1960年の柴田さんのいた法政二高、1962年に春夏連覇をした作新学院、1966年に春夏連覇をした中京商業、の3校は見ていないので選ばなかった。)

その7校は以下の面々である。
1979年の箕島高校:石井&嶋田のバッテリーで春夏制覇。星稜と延長18回の死闘。
1982年の池田高校:やまびこ打線で夏春制覇。高校野球の流れを変える猛打。水野、畠山ら
1985年のPL学園:桑田・清原のKKコンビ。桑田は甲子園20勝、清原は甲子園13本塁打。
1987年のPL学園:野村、橋本、岩崎のトリプルエースに立浪、片岡、宮本という野手陣で春夏制覇。
1998年の横浜高校:松坂世代の強豪チームを破り続け、春夏制覇、公式戦無敗。
2010年の興南高校:トルネード島袋と強力打線。ほとんど苦戦することなく春夏制覇。
2012年の大阪桐蔭:藤浪・澤田の高いダブルエースと2年生キャッチャー森で春夏制覇。

この中で支持を集めそうなのは、85年と87年のPL学園と98年の横浜高校だろう。
興南、大阪桐蔭の夏春制覇は見事だったが、歴代最強と言えるまでのインパクトはなかったように感じる。
蔦監督の池田高校は鮮烈だったが、水野が3年生時の夏の甲子園、KKコンビのPLに大差負けしたのが痛い。

85年のPLは、単年度ではなく83年からの5季をセットで語られることになるだろう。
KKが1年生だった83年の夏に優勝、84年の春が準優勝、84年の夏も準優勝、85年の春がベスト4、85年の夏が優勝、
といった具合である。
一発勝負の高校野球で、これだけ続けて結果を出し続けたというのはすごい。
桑田・清原のプロ野球での大活躍を考え合わせても強さが引き立つ。

一方、87年のPLは、その層の厚さが高校野球離れしている。
野村、橋本の両投手がプロでも成功し、立浪、片岡、宮本の野手陣はプロでも大成功。
一つの高校の単一世代にこれだけの選手が揃うのは、ちょっと異常である。

98年の横浜は、一度も負けなかったという事実に加え、歴代最高試合と言われることの多い準々決勝のPL学園戦、奇跡的な逆転を演じた準決勝の明徳義塾戦、決勝でのノーヒットノーランとなった京都成章戦と、印象に残る試合を連発した。
レベルの高い世代と戦って公式戦全勝というのもすごい。

この3チームで比較すると、一発勝負なら松坂の横浜高校、複数試合があるなら選手層の厚い87年のPL、トータル勝負なら85年のPLといった感じかと思う。

では、甲子園歴代最強はどこか、となると、私はこの3校ではなく79年の箕島を推したい。
「そんなに強かったっけ?」
と思われる方も多いだろう。
どこと戦ってもいい試合になる感じで、強力打線で圧倒したり、投手がねじ伏せたりといったタイプではないが、負ける雰囲気がなかった。
どんなに苦しい場面に追い込まれても、最後に勝つのは箕島だと思えた。
もし横浜やPLと戦えば、下馬評は圧倒的に不利だろう。
しかし、なんだかんだ接戦に持ち込んで、最後はうっちゃってしまうのではないか、そんな気がする。

夏の甲子園は、今年が記念すべき100回目。
これからさらに何百年も大会が続くことを祈る。
語り継がれる名勝負が生まれることも期待したい。

実は、本当に面白いのは予選の方だけれど。
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