中日ドラゴンズ様 お上品で何よりでございます

上品というのは素敵なことである。
子どもの教育、実に大切である。
はい。

中日ドラゴンズの応援団が、応援歌「サウスポー」に不適切なフレーズがあるとして、当面の自粛を発表された。
かねてから親しまれている応援歌に、どんな不適切なフレーズがあるのかと思えば、
「お前が打たなきゃ誰が打つ」
の「お前」だそうだ。
ちょっと何のことかわからなかったが、なんと出元はなんとか団体様とかではなく、監督なのだそうだ。
なんでも、
「『お前』という言葉を子どもたちが歌うのは、教育上良くないのではないか」
と指摘されたのだという。
ワオ！

さすが！
子どもが大人の選手に対して「お前」なんて、ねえ。
そりゃ、およろしくないですよねえ。
さすが、お上品な中日ドラゴンズ様、素晴らしゅうございます。

この際だから、場内アナウンスも見直した方がいい。
今は、
「一番ライト平田」
などと呼びつけにしているが、教育上よくないのではないだろうか。
「一番目に打たれるのは、ライトを守っておられる平田さん」
のようにしっかり言うべきだろう。
呼びつけを子どもが真似したらどうするというのか。
少なくとも、さん付けはするようだろう。
「お前」が駄目なんだから。

選手交代のときも、監督はちゃんと
「〇〇さんに代わって、●●さん」
といった具合に敬称をつけていただきたい。
子どもが真似したら教育上よくないから。
いや、「お前」が駄目だとおっしゃるのだから、そんなことはとっくにやっておられるだろう。

野球場というのは、子どもたちにとってはちょっと背伸びしていく場所である。
そこには普段は見ることのない大人の生態がある。
酔っ払いもいれば、ヤジを飛ばしている人もいれば、
なにやら喧嘩を始める人もいるかもしれない。
そうやって世の中を垣間見ていく。
世の中って、真っ平らなものではないことを知っていく。
それでいい、と私は思うのだが。

応援歌の中の「お前」が駄目。
なんだかため息が出るような話だが、
中日ドラゴンズ様はお上品なのだろうから、下世話な人間が絡むようなことでもない。