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映画評 「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」 [映画評]

本作は、1998年に公開されたポケモン映画シリーズの第1作「劇場版ポケットモンスター/ミュウツーの逆襲」を、フル3DCG映像でリメイクしたもの。
このところ、洋画も邦画もリメイクばやり。
堅い商売なのだろうか。

ファンからの悲痛な嘆きがあふれる「トイ・ストーリー4」と比べ、
こちらは好意的な評価が多い。
安心して観に行った。

のだが、あれ?

オープニングからテーマソングくらいまではワクワク感があるのだが、
話が進むに従って「なんじゃこれ?」感が侵食してくる。
えっと、ミュウツーさん、何がしたいの?

もちろん、子供向けアニメである。
そんな目くじらを立てなくても、
と言われればそれまでだが、この流れでどう感情移入すればいいのやら。
「私は誰だ?」
というミュウツーさんの根源的な問いかけが、
どこかで普遍的な何かにつながるのかと思っていたが、
それは宙に浮かんだまま消えてしまった。

CGも効果を上げているとは思えない。
アニメの方がいい。

ポケモン映画は長い歴史を刻んでいる。
本作も約20年ぶりのリメイクだから、10歳の時に観た人はもう30歳。
あの頃のときめきを思い出しながら、子ども連れで観に来た人もいるだろう。
そうした人の期待に応えられるレベルに達しているかというと、
残念ながらほど遠いと思う。
「あれ、こんな作品だったっけ?」
「子どもの頃、これに感動したのかなあ」
などと思わせたのではないだろうか。

ポケモン映画の資産とも言うべき、
世界的な大ヒット作のリメイクであるだけに、一層残念である。

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