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現在パ・リーグ盗塁王 千葉ロッテ和田康士朗が野球少年の未来を照らす [ヨモヤ]

8月30日現在、パ・リーグの盗塁王は、千葉ロッテマリーンズの和田康士朗。
出場34試合で、盗塁数16。
2位の日本ハムの西川が、試合数58で盗塁13だから、和田の1試合当たりの盗塁数の多さがわかる。

盗塁だけではなく、守備での貢献も大きい。
とんでもない守備範囲の広さと球際の強さ。
右へ左へ、後ろへ前へ、縦横無尽に動き回りロッテ投手陣を支えている。

和田康士朗と聞いて、「誰だ、それ?」となる方も少なくないだろう。
異色の経歴でのプロ入りであり、アマチュア時代の知名度がほぼないから、知らないのも当然である。

プロに入る選手のほとんどは、高校時代には、ずば抜けた成績を残している。
そうでないと先に進めない。
例年、ドラフトで指名される選手の数は100人そこそこ。
単純に47都道府県で割れば1県2人くらいとなるが、人口差や野球のレベル差を考えると、1人もプロ野球選手が生まれない県もざらにある。
つまり、その都道府県で一番すごい選手でないと指名されないくらいの狭き門なのである。

中学時代に野球で認められた人間は、野球の名門校に入るかどうかで悩む。
野球の名門校には、いろいろな中学校で特別うまかった連中が集まる。
だから、名門校で頭角を現すのは大変だ。
イチローが、名電に入るとき、自分の力が通用するか心配だったとの話を聞いたことがあるくらいである。
そこでレギュラーになるのはさらに大変で、
そのなかからプロ注目の選手になるのはさらに大変である。
そして、実際に指名される選手も、さらにそこから絞られる。

和田は、高校時代、野球部でさえない。
中学時代には野球をやっていたそうだが、怪我と周りとのレベル差を感じて、野球を一度あきらめている。
名門校に入って挫折したわけではなく、入った学校は埼玉県内でも野球の点ではまったく無名の県立小川高校(※)。
そこでは陸上部に入部していたという。
その後、テレビの高校野球で友人が活躍する姿に刺激を受け、野球を再開。
硬式クラブチームの都幾川倶楽部硬式野球団に加入した。
おそらく、そのころからメキメキ腕を上げてきたのだろう。
高校卒業後、独立リーグのトライアウトを受け、富山GRNサンダーバーズに入団。
そこでさらに腕を上げ、2017年のドラフト会議で千葉ロッテから育成1位指名を受け、NPB入りしたのである。

プロに入るためには、高校で活躍するのは前提条件。
もしそこで十分にアピールできなくても、大学や社会人に野球をするために入り、
さらに鍛えて機会を待つ、
というのがこれまでのパターンだった。
和田のように高校野球の経験さえないという選手が、
全く別のルートで腕を磨き、
プロに入り、
さらに一軍で活躍するというのは稀有な例である。

和田の活躍を見て、勇気づけられる球児もいることだろう。
中学や高校の野球部に馴染めなかったり、
将来が見えなかったりして、
一度野球をあきらめても、それですべてが終わりになるわけではないことを、身をもって示しているからである。
野球をやめてしまって、それを後悔している若者は少なくないだろう。
大丈夫、間に合う。
和田を見れば、不可能ではないことがわかる。

※Wikiで見たら、小川高校はなんと声優の杉田智和さんの出身校。杉田さんと言えば、『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョン役や、『銀魂』の銀さん役などで知られる、超メジャー声優さん。
小川町は、スーパーの「ヤオコー」や衣料品チェーン「しまむら」の発祥地でもある。恐るべし。

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