SSブログ

映画評 「レジェンド&バタフライ」 [映画評]

木村拓哉さんが織田信長役を演じ、
綾瀬はるかさんが濃姫を演じる。
さらに、監督を「るろうに剣心」の大友啓史さんが、
脚本を「コンフィデンスマンJP」などの古沢良太さんが担当する。
お祭り感満載の映画である。

シリアスに観ると、
役を木村さんと綾瀬さんに寄せ過ぎてしまったために、
奥行きがなくなった気がするし、
信長や濃姫の真の姿から離れ過ぎてしまった感もある。
しかし、この二人くらいの存在になれば、
俳優が役に寄せるというより、
役を俳優に寄せるというのもありだろう。

木村さんは青年期の信長をそのまま演じられるほど若々しくカッコいいし、
綾瀬さんは凛として美しい。
そうした姿がしっかりおさめられているというだけで、
映画としては成り立っていると言っていいだろう。
私の大好きなアニメ映画「映画大好きポンポさん」で、
ポンポさんが
「映画は女優を魅力的に撮れればそれでOK」
と語るシーンがある。
そこからすれば主演の二人が魅力的だったので、それでもうOKであろう。

映画としても、
ちゃんとお金をかけて、手間暇をかけて作ったとわかる。
難しい撮影もあったと思うが、
大作として成立させ切った手腕は、さすが大友監督である。

といって、
心に残る作品かというと、まあそうではないし、
一年に何本かの傑作かというと、全然そうでもない。
しかし、娯楽大作として期待に応えているとは言えると思う。
こういう作品があっていいし、
もっとたくさん作られてほしい。
単純に楽しめる作品も必要だ。
そんな余裕のある日本映画界になってほしい。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事