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H3ロケット 打ち上げ「中止」か「失敗」か [ヨモヤ]

鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げが予定されていた新型ロケットH3。
多くの人が携わり、
多くの人の期待を乗せた試みだったが、
残念ながら発射成功とはならず、打ち上げを中止せざるを得ない状況となった。

この件に関し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田プロジェクトマネージャーが会見に臨み、
「見守ってくださった方々が大勢いらっしゃいますので、
申し訳ないと思っていますし、我々もものすごく悔しいです」
と語られ、涙を流された。
当然ながら、今回のことで最も悔しい思いをされ、責任を感じておられるのは岡田氏であろう。
ここに至るまで、常人には想像もつかないような重圧の中の日々だっただろうし、
結果を受けて、断腸の思いをされていることと思う。

この会見について、
共同通信社とのやり取りがネットを中心に話題になっている。

岡田氏が、発射できなかったことを「中止」と説明されたのに対し、
共同通信の記者が「中止ではなくて失敗じゃないか」と繰り返し問い続け、
岡田氏が中止と表現している理由を説明すると、
「わかりました。それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」
と一方的に自分の発言を切り上げてしまったのである。
しかもその言い方があまりにもぶっきらぼうであり、
相手方への敬意や、
打ち上げできなかったことでショックを受けている相手への思いやりも感じられないとあって、
大きな批判を浴びている。

この件については、法政大学の山口二郎教授が以下のようにツイートしている。
“各社の記事の見出しは、「打ち上らない」といういささか奇妙な言葉。
なぜ、打ち上げ失敗と書かないのだろう。大本営発表シンドロームの現れか。“
(山口教授のツイートに対しては堀江貴文さんが「どんだけ捻くれてるんだこいつ」とつぶやかれている)

また、日刊ゲンダイも、
“打ち上げ「中止」なのか「失敗」なのか……SNSでは識者らが、JAXAの「話法」に問題があると指摘している。太平洋戦争で当時の日本軍大本営は、作戦失敗による退却や撤退でも「退却」「撤退」とは呼ばず「転進」を使った。部隊の「全滅」は「玉砕」と表現した。これらは言葉を操作して組織のメンツを守る話法で、当時の新聞やラジオはこうした大本営発表をタレ流した。”
と書いている。

共同通信、山口教授、日刊ゲンダイというメンバーを見て何を感じるかはそれぞれだろうけれど、
「中止」と言うか「失敗」と言うかにそこまでこだわることもないと思う。
大本営発表に結び付ける発想にはちょっとついて行けない。

計画どおり発射できなかったことは確かであり、
その点についてはJAXAの皆さんも十分に責任を感じておられるだろうし、
悔しい気持ちでいっぱいだろう。
反省すべき点もあると思う。
しかし、表現の仕方をとらえて鞭打つことに意味があるとは思いにくい。
「なんだかなあ」
と感じてしまう。

いや、ほんと、
「なんだかなあ」

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