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映画評 「銀平町シネマブルース」 [映画評]

映画を撮りまくっている感のある城定秀夫監督がメガホンを取り、
脚本を「神田川のふたり」が印象的だったいまおかしんじさんが担当。
テーマが、古い映画館、映画監督の再起、
とあれば、映画ファンに刺さる作品になるのは当然と言えば当然。

とにかくキャストがいい。
深い挫折経験を持つ映画監督に小出恵介さん、
小出さんが転がり込むミニシアターの支配人の吹越満さん、
ミニシアターで働く藤原さくらさん、日高七海さん、
常連客の中島歩さん、
映画ファンでホームレスの宇野祥平さん、
小出さんの元妻役のさとうほなみさん、
助監督役の平井亜門さん、
その他、小野莉奈さんも、片岡礼子さんも、藤田朋子さんも、渡辺裕之さんも、
みんなピシッとはまっていた。
これはキャスティングの妙であると同時に監督の力でもあるのだろう。
特に吹越さんが素晴らしく、
中島さんは相変わらず可笑しい。

ロケ地は、現役のミニシアター「川越スカラ座」。
個人的にもちょくちょく行かせていただいている映画館が舞台なので、
親近感も特盛。

ちょっと残念だったのは劇中の映画。
もう少し作り込まれた映画にした方がよかったのではないか。
B級感を出したかったのかもしれないが、あれでは冷めるし、
映画ファンの宇野さんが手を合わせる意味もわからない。

「銀平町シネマブルース」は、映画ファンなら好きにならずにいられない作品。
映画ファンならずとも、
ずっと楽しく観ることができるだろうし、
クスっと笑えるシーンも多い。
映画っていいなあ、
映画館っていいなあ、
と思わせてくれる。

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