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映画評 「神回」 ~タイムループパートは超痛快 ~ [映画評]

本作は、邦画・洋画問わず数々作られてきたタイムループもの。
直近でも
「リバー、流れないでよ」が評判を取ったし、
去年も
「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」という佳作が公開された。

この「神回」という作品は、
公開館数が限られていることもあり、
それほど話題になっていない。
しかし、タイムループの描かれ方はやたらと面白かった。

舞台は、高校生の夏休み。
文化祭の実行委員となった男子と女子が13時から打合せを始めることに。
しかし、5分経つと13時に戻ってしまうことに男子だけが気づく。
女子にも気づいてもらいたいとあがき、
なにか突破口はないかとのたうちまわる。
同じ5分を何回も何十回も何百回も繰り返していたら、
精神が持つはずがない。
その狂いっぷりが、可哀そうだが面白い。
徒労っぷりも、切なく面白い。

一方、
タイムループになっている理由の種明かし部分は、まったくイケていない。
そこを描かなければ永遠にタイムループが終わらなくなってしまうが、
その方がよかった気さえする。
だから、後半はしおしお。

主演に青木柚さん。
崩壊していく男子高校生を見事に演じられた。
今後が楽しみな俳優さんである。
共演に坂ノ上茜さん。
現在27歳ということだが、高校生役が全く違和感なかった。

「神回」は意外な掘り出し物。
タイムループパートが実に素晴らしかった。
延々と続いたのだが、少しも苦ではなく、むしろもっと観たかった。
謎解きパートが全く冴えず、映画全体としては今一つになってしまったが、
それでもタイムループパートの鮮烈さは出色。
是非タイムループパートを味わいに劇場へ足をお運びいただきたい。

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