映画評 「17歳は止まらない」 [映画評]
本作は、東映ビデオが2021年に立ちあげた才能発掘プロジェクト
「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」の第1回作品とのことである。
オフィシャルサイトには、監督・脚本の北村美幸さん(男性のようだ)の以下のコメントが掲載されている。
「つ、ついにやったぞ…。
誰もが憧れる、メジャーの映画監督。しかもそれをオリジナルシナリオで実現できるという幸せ。「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」製作決定からおおよそ一年、東映ビデオが『出てこい、才能』と垂らした釣り糸に引っ掛かった深海魚が遂に撮影を完了しましたよ!」
監督がこんな青臭いことを書き、
登場人物も若手女優がてんこ盛り。
初期衝動が炸裂した映画になっているのではないかと、
楽しみにして観に行った。
確かに溌溂とした作品なのだが、
楽しめたかというとそうは言えない。
それどころか、
はてさて、映画にするような内容なのか、
劇場公開できるような作品なのか、
と首を傾げてしまった。
厳しいようだが、お金を取れる作品かどうか、ボーダーライン上という感じである。
他の作品と同じ1,900円は、さすがにちょっとどうだろう。
特に困りものだったのが音楽。
主人公がショックを受けるシーンでは、「ジャジャーン」というBGMが入ったりして、
中学生の初監督作品的な、純粋に悪い意味でのこなれなさにあふれていた。
農業高校が舞台なのだが、
それが十分に活かされていたようにも思えない。
農業高校の様子として、屠殺シーンや牛の出産シーンなど印象的な場面が映されているが、
それと本筋が絡み合っている感じはない。
単に視点が分散されてしまった感がある。
池田朱那さん演じる主人公が、
暴走気味に周りを振り回す。
まさに「17歳は止まらない」状態。
しかし、単に自分勝手が過ぎる感じにしか見えず、爽快感は伝わらない。
こんな娘が近くにいたら嫌だなあ、とは思うけれど。
この映画の最大の見せ場は、中島歩さん演じる先生のダメダメなところ。
生徒に振り回される中島さんの姿は、いつものように可笑しかった。
このパートがあったのがこの映画の救い。
「17歳は止まらない」は、迷宮に入り込んだような作品。
残念。
「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」の第1回作品とのことである。
オフィシャルサイトには、監督・脚本の北村美幸さん(男性のようだ)の以下のコメントが掲載されている。
「つ、ついにやったぞ…。
誰もが憧れる、メジャーの映画監督。しかもそれをオリジナルシナリオで実現できるという幸せ。「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」製作決定からおおよそ一年、東映ビデオが『出てこい、才能』と垂らした釣り糸に引っ掛かった深海魚が遂に撮影を完了しましたよ!」
監督がこんな青臭いことを書き、
登場人物も若手女優がてんこ盛り。
初期衝動が炸裂した映画になっているのではないかと、
楽しみにして観に行った。
確かに溌溂とした作品なのだが、
楽しめたかというとそうは言えない。
それどころか、
はてさて、映画にするような内容なのか、
劇場公開できるような作品なのか、
と首を傾げてしまった。
厳しいようだが、お金を取れる作品かどうか、ボーダーライン上という感じである。
他の作品と同じ1,900円は、さすがにちょっとどうだろう。
特に困りものだったのが音楽。
主人公がショックを受けるシーンでは、「ジャジャーン」というBGMが入ったりして、
中学生の初監督作品的な、純粋に悪い意味でのこなれなさにあふれていた。
農業高校が舞台なのだが、
それが十分に活かされていたようにも思えない。
農業高校の様子として、屠殺シーンや牛の出産シーンなど印象的な場面が映されているが、
それと本筋が絡み合っている感じはない。
単に視点が分散されてしまった感がある。
池田朱那さん演じる主人公が、
暴走気味に周りを振り回す。
まさに「17歳は止まらない」状態。
しかし、単に自分勝手が過ぎる感じにしか見えず、爽快感は伝わらない。
こんな娘が近くにいたら嫌だなあ、とは思うけれど。
この映画の最大の見せ場は、中島歩さん演じる先生のダメダメなところ。
生徒に振り回される中島さんの姿は、いつものように可笑しかった。
このパートがあったのがこの映画の救い。
「17歳は止まらない」は、迷宮に入り込んだような作品。
残念。