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ChatGPT時代一年目の夏休みの宿題はいかに [ヨモヤ]

ChatGPTが公開されたのが2022年11月。
社会に衝撃を与え、瞬く間に世界中に広がった。

あんなこともできる、こんなこともできる、
と使い方は無限。
そのなかで最初の頃から注目されていたのが、
「子どもが宿題に使っちゃうんじゃないか」
ということであった。
なかでも、夏休みの宿題の定番、
読書感想文にChatGPTが使われる心配がなされていた。

おそらく学校でも、
「生成AIは使わないように」
と指導しているだろうが、使ったかどうかを見極めることはできないだろう。
なにしろ生成AIは質問によって答えを変えてくるから。

例えば太宰治さんの「人間失格」の感想文を書いてもらおうとして、
「『人間失格』の感想文を800字で書いてください」
とお願いすると、数秒後には出来上がってくる。
ただ、これでは誰でも同じような内容になる。
知恵の働く子どもならちょっと工夫するだろう。
例えば、
「『人間失格』の感想文を本が書かれた時代背景を踏まえながら800字で書いてください」
とお願いすると、
“戦後の混乱と喪失感が渦巻く昭和20年代の日本社会を背景に、人間の複雑な心の闇を描いた傑作である。この小説は、作者自身の内面的な葛藤とともに、当時の社会的な不安定さと変化を映し出している。”
などと足してくれる。

これではちょっと大人っぽ過ぎるので、
「『人間失格』の読書感想文を、ですます調で、子どもらしい文体で、約800字以内で書いてください」
とお願いすると、
“「人間失格」は、大人向けの内容だけど、自分でも考えることがたくさんあって、深いお話だった。自分の中の気持ちや他人との関わり方を考えるきっかけになりました。でも、やっぱりまだまだ分からないこともたくさんあるけれど、これからもいろんな本を読んで、成長していきたいです。”
などと表現を変えてくる。
これがわずか数秒間。

ChatGPTの答えを丸写しにするとちょっと不自然な内容になることがあるが、
ちょこっといじれば十分に自分の文章になる。

AIに宿題をやらせることで得るものがあるかどうかなんとも言えないが、
こういう子どもも少なからずいるだろう。
読書感想文コンクールにも厳しい時代が到来した。

今さら、
いいとか悪いとか言っても始まらない。
そういう時代である。

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