SSブログ

映画評 「まなみ100%」 [映画評]

本作の主演の青木柚くんは不思議な俳優さん。
失礼ながら、それほどルックスがいいわけではないのだが、
表情やら動きやらで、なにやら惹きつけられる。
夏に観た「神回」という作品でも、青木くんが映画を引っ張っていたが、
本作も彼に頼るところ大。
情けなく、だらしなく、しかし憎めない。

映画は、青木くん演じるボクと高校1年生のときに知り合ったまなみちゃんの10年間を描く。
まなみ100%というくらいだからまなみちゃん一筋かというと、
全然そんなことはない。
むしろまなみちゃんとはつき合いもしないで、
いろいろな女とふらふらしている。

そのグダグダ感はわかるし、
描きたいこともわかる。
青木くんも好演している。
しかし、何というか、
「こんなん見せられても」
感はぬぐえない。
監督のやりたいことは伝わるし、やりたいようにやれているとも思うけれど、
それが心の芯に届くかというと、そうでもない。

まなみちゃんの描き方は、あんな感じでいいのだろうか。
「ボク」がまなみちゃんを好きになった理由がわからない。
もちろん好きになるのに理由なんかいらないが、
理由なんかいらないような衝撃、
ルックスだったり、言動だったり、があるわけでもない。
所詮本当に好きだったわけではない、という説明がしっくり来るし、
文学的にはそれでいいが、映画的にはどうだろう。

女優さんの描き方も含め、
ガツンと来るものも、シンと来るものもなく。
タイトルは好きだけど。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事