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映画評 「法廷遊戯」 ~ 「これでいい」と思える作り手の感覚がすごい。もちろん悪い意味で。 ~ [映画評]

弁護士でもある作家・五十嵐律人さんによる法廷ミステリー小説の映画化。
本格的な法律ミステリーを観られるかと思いきや・・・。

よく映画で、「突っ込みどころ」という言葉を使うが、
本作の場合、ちゃんとしたところを探す方に骨が折れる。

登場人物たちが学生の頃に「無辜ゲーム」という法律ゲームをやっており、
それがタイトルにもつながってくるのだが、
そのゲームの内容がしょぼすぎていきなりトホホとなる。
ここが序盤の山場であり、山場でトホホなのは、なんと言っていいのか。

その後も、回収されない意味不明なシーンが次々と挟まれる。
え、嘘でしょ、
なんだ、これ。
という感じ。

エンドロールが流れた時、
「いや、これで終わりのはずがない」
と確信していた。
だって、終われていないから。
そのまま映画が終了して、場内が明るくなり、呆然。
この映画の最大の衝撃はここ。
監督さんとかスタッフの皆さんとか、映画会社の皆さんとか、
「これでいい」
と思ったんだ。
すごい肝の太さ。
もちろん、悪い意味で。

設定もストーリーも滅茶苦茶。
落ち着いて考えれば考えるほど、しみじみなってない。

主演は永瀬廉さん、杉咲花さん、北村匠海さんの三人。
杉咲さんが熱演、怪演されておられるが、この脚本・演出では・・・。

関係者試写とかないのだろうか。
あっても誰も何も言わないのだろうか。
どうして誰も止めないのだろうか。
どうしてこのまま世に出そうと思うのだろうか。

「何かの間違い」という言葉がある。
「何かの間違い」には出くわそうと思って出くわせられるものではない。
もし「何かの間違い」に会いたければ(んな人はいないか)、この映画を観に行けばいい。
ほんと、「何かの間違い」のような作品だから。
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