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都市が競うべきは人口よりも [ヨモヤ]

神戸市の人口が150万人を割ったことが話題になっている。
150万人を割るのは2001年5月以来22年ぶりのことらしい。

通常の自治体の人口はどこかでピークを打ち、そこから下がり続けるパターンだが、
震災のあった神戸はちょっと違う。

戦後、他の主要都市と同様に人口増加を続け、
150万人に達したのが1992年12月。
その後1995年に阪神・淡路大震災が起き、同年10月に142万人まで減少。
そこから盛り返し2001年6月に150万人を回復、
といった具合である。
その後のピークは2011年の154万人だったそうだ。

神戸市を含む政令市は現在20都市。
日本を代表する大都市ということになるが、
こうしたところも半数以上が人口減少となっている。
ざっくり言うと、東京圏は増加傾向、それ以外は減少傾向となる。

政令市のなかで気を吐いているのは福岡市。
経済の活況が伝えられているなか、政令市で最も人口を増やしている。

さて、今回の「150万人割れ」の事態を受け、神戸市の久元喜造市長は以下のように語られたという。
「女性が働きながら出産もできる社会環境の整備を進め、
人口減少時代にふさわしい『量より質』の取り組みを追求しなければならない」

日本全体の人口減少が続く中では、
どこかの都市の人口が増えてもどこかは減る。
強引な政策で一時的に人を引き付けることができたとしても、
それが本当に意味のあることなのかどうかは冷静に考える必要がある。
久元市長がおっしゃるとおり、
「人口減少時代にふさわしい『量より質』の取り組み」
を進めるべきなのだろう。

各自治体が、それぞれの置かれた環境に合わせた施策を展開し、
個性的で独自の進化を遂げる形で行きたいものである。
安易なバラマキ型のサービス合戦になってしまっては、
財政力があるところとないところの自治体間格差が無意味に広がってしまうばかりである。

「量より質」。
その自治体のサービスにおける「質」とは何なのか。
それを見極められるしたたかさが市民にも求められるのかもしれない。

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