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地域手当の弊害がここにも ~ 大都市に保育士が流出 ~ [ヨモヤ]

11月14日のNHKニュースに
「大都市に保育士流出” 4県の知事ら処遇改善を国に要望」
という記事が掲載された。
埼玉県、千葉県、奈良県、和歌山県の知事や副知事が、
保育士の給与に影響する基準の見直しなど処遇改善について、こども家庭庁に要望書を提出したというものである。

保育人材の確保は全国的な課題だが、
なかでも大都市近県においては深刻。
原因は複合的にあるとは思うが、大きな理由のひとつは大都市との待遇の違いである。

保育士の給与は、国が定める「公定価格」に準拠して決められる。
この公定価格が大都市では高く、近隣県では低くなっているため保育士の給与に差が生じ、
そのことが保育人材獲得の大きな障害となっているのである。
埼玉県の副知事の
「埼玉県では東京23区と比べて公定価格の差が大きく人材を確保できない危機感がある。
同じ課題に直面する奈良県や和歌山県などとも連携していきたい」
とのコメントが紹介されていた。

公定価格は、国家公務員及び地方公務員の地域手当の支給割合に係る地域区分に準拠して決められる。
そのため、埼玉で働くと東京で働くよりもらえる給与が低くなってしまう。
埼玉では、川越や所沢といった中核都市でさえ地域手当は6%。
0%、つまり地域手当が支給されていないところも少なくない。
23区は20%だから、年間で数十万円から年収によっては百万円を超える額の差が出ることになる。
40年間働くとすれば、その差は数千万円にもなる。
数千万円・・・。

大都市近県の同じ家に暮らしている双子がいて、
一人が地元で、一人が都内で働いたとして、
同じところに住む同じ保育士であるのに生涯年収に数千万円の違いが生じるという理不尽。
いつまで放置されるのだろう。

※地域手当については、先日「公平性も合理性も疑問符の地域手当」というタイトルでも書いた。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2023-11-02-1

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