SSブログ

「2009年6月13日からの三沢光晴」を読んだ [ヨモヤ]

タイトルの2009年6月13日は三沢さんの命日。
かれこれ14年前のことになる。
今ごろになって、三沢さんが死んでしまったことが胸に応える。
今ごろになって。

三沢さんは受け身の天才と呼ばれていた。
どんな技を受けても立ち上がってくることからゾンビとも言われていた。
その三沢さんが、あの日バックドロップを受けてそのままお亡くなりになった。
急角度であったわけでもなく、
不自然な落とし方をされたわけでもない。
まさに突然の死であった。

この本は、
2009年6月13日に何があったかという克明なドキュメントと、
三沢さんに関わった人たちの証言集で構成されている。
三沢.JPG

レスラーはいい意味でも悪い意味でも超個性的な人が多く、
団体のトップともなると人格面も含め批判的な声も聞かれるのが普通なのだが、
三沢さんを悪く言う声を聞いたことがない。
カリスマというより兄貴分的な存在であったようだ。
プロレスを愛し、
情に厚く、
面倒見がよく、
エロ話が好きな、
身を削ることをいとわないリーダー。

子どもの頃から全日本プロレスが好きだった私は、
馬場さん・鶴田さんの王道プロレス、
天龍さんの天龍革命、
三沢さん、川田さん、小橋さん、田上さんの四天王プロレスを見て育った。
体の大きくない三沢さんは、
鶴田さんに放り投げられ、
ハンセンさん、ブロディさんに吹っ飛ばされながら強くなっていった。
四天王プロレスでは、今から振り返れば危険な試合の連続だった。

あんなプロレスをしていたから寿命を縮めたんだ、
という人がいる。
おそらくそのとおりなのだろう。
ただ、あのプロレスがあったからこそ、三沢さんの記憶は永久に消えない。

なんか、今ごろ寂しい。

nice!(3)  コメント(0)