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失業率が低いのは日本経済にとって大きな救い [経済を眺める楽しみ]

景気の後退が現実のものになりつつある。
米中の争いに引きずられる感じで製造業が振るわず、
消費に明るさも見えない。
株は、景気を先取りする形で下げ幅を拡大している。

平成31年1~3月期の実質GDP速報値は、マイナスになるという予想もあったが、なんとかプラス成長を維持した。
しかし、内容を見ると、企業収益は伸び悩んでいるし、設備投資や個人消費も振るわない状況である。

そんな中にあって、労働環境のよさが大きな救いになっている。
厚生労働省と文部科学省の調べによれば、
平成31年3月に卒業した大学生の就職率は97.6%で、
29 年3月卒と並んで2番目に高く、高水準を維持したとのことである。
高校生も前年同期比0.1ポイント増の 98.2%と堅調で、
過去最高だったバブル期の平成2年度(98.3%)にほぼ並んだという。

給料が下がるというのは痛いが、
仕事がないということの痛みはそれどころではない。
日本は、働き手の数が減っていることもあって、若者が仕事を得やすくなっている。
もちろん、望む職に就けない人はたくさんおられるだろうが、
それは仕方がない。
AIによって職が奪われると心配する人もおられるが、そんな心配をしている場合ではない。
むしろ、いる人間でどれだけ回せるかという状況である。

日本経済の現状を、お先真っ暗のように言う向きもあるが、若者失業率を見れば、
もっと大変な国はいくらでもある。
人が減ることは国の根幹にかかわる重大な問題だが、
仕事が行き渡るという点では、いい面もあるということだろうか。

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