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映画評 「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」 [映画評]

本作は、1998年に公開されたポケモン映画シリーズの第1作「劇場版ポケットモンスター/ミュウツーの逆襲」を、フル3DCG映像でリメイクしたもの。
このところ、洋画も邦画もリメイクばやり。
堅い商売なのだろうか。

ファンからの悲痛な嘆きがあふれる「トイ・ストーリー4」と比べ、
こちらは好意的な評価が多い。
安心して観に行った。

のだが、あれ?

オープニングからテーマソングくらいまではワクワク感があるのだが、
話が進むに従って「なんじゃこれ?」感が侵食してくる。
えっと、ミュウツーさん、何がしたいの?

もちろん、子供向けアニメである。
そんな目くじらを立てなくても、
と言われればそれまでだが、この流れでどう感情移入すればいいのやら。
「私は誰だ?」
というミュウツーさんの根源的な問いかけが、
どこかで普遍的な何かにつながるのかと思っていたが、
それは宙に浮かんだまま消えてしまった。

CGも効果を上げているとは思えない。
アニメの方がいい。

ポケモン映画は長い歴史を刻んでいる。
本作も約20年ぶりのリメイクだから、10歳の時に観た人はもう30歳。
あの頃のときめきを思い出しながら、子ども連れで観に来た人もいるだろう。
そうした人の期待に応えられるレベルに達しているかというと、
残念ながらほど遠いと思う。
「あれ、こんな作品だったっけ?」
「子どもの頃、これに感動したのかなあ」
などと思わせたのではないだろうか。

ポケモン映画の資産とも言うべき、
世界的な大ヒット作のリメイクであるだけに、一層残念である。

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韓国からが減っても過去最高 ~ 訪日外国人旅行者は今年も伸びている ~ [ヨモヤ]

日本政府観光局の発表によれば2019年上半期の訪日外国人旅行者数は、
前年同期比4.6%増の1663万3600人になったとのことである。
これは、上半期として過去最高の数字。

内訳でみると、
中国が453万2500人で最多だった。
前年同期比11.7%の増というから、全体を中国が引っ張っている。

一方、2番目に旅行者の多い韓国は3.8%減、
台湾や香港も微減となったようだ。
それでいて過去最高になったのは、中国に加えて、
欧米、東南アジアなどからの訪日客が伸びたからである。

韓国からの観光客は、下期にかけても減少傾向だろう。
それによる一定の影響はあるだろうが、大きな損害が出るレベルではなさそうだ。

いろいろあって韓国との関係は最悪だが、
多くの日本国民はあまり気にしていないように見える。
韓国では不買運動やら大騒ぎらしいが、日本ではそうした動きもない。
今回のもめごとは抜きにしても、日本が向くべきは東南アジアに移行したのかもしれない。
人口が増加中で、
経済も成長中で、
反日感情も高くない、
という国々が近くにあるのだから、そうした国とつながらない手はない。
訪日外国人旅行者の推移は、それを如実に表しているのかもしれない。

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がんばれ!京都アニメーション [ヨモヤ]

京都アニメーションで、大変なことが起きてしまった。
男がガソリンのようなものを撒きながら放火し、
30人以上の人が亡くなられたのだという。
放火事件の犠牲者数としては平成以降、最悪らしい。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、
京都アニメーションの再建を願わずにいられない。

「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん!」「聲の形」などで知られる京都アニメーションだが、
私にとってはなんと言っても「氷菓」である。
恥ずかしながら、「氷菓」を見るまで、独立系のテレビ局で夜中に放映されているアニメに対して、
軽い偏見のようなものを持っていた。
不明を恥じるばかりだが、
だって、視聴率だってそんなにいかないだろうし、製作費もそんなにないだろうし、
いい作品が出来上がるとは思えなかったのだ。
しかし、「氷菓」を観て、本当に驚いた。
絵が綺麗というだけでなく、作品のクオリティが非常に高かったからだ。
毎週、上質な映画を観ているような幸せな気持ちになった。
喜び、驚くとともに、
世の中、すごい人たちがいる、
アニメってすごい、
と改めて思った。

今回の被害は、あまりにも大きく、再建といっても道はあまりにも険しいかもしれない。
しかし、世界中の人が京都アニメーションの作品を待っている。
がんばれ!

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映画評 「薄暮」 [映画評]

本作は、東日本大震災の復興プロジェクトとして被災地3県を舞台にしたアニメ作品。
『blossom』、『Wake Up, Girls!』に続く、「東北三部作」の最終作という位置づけらしい。
と言われても、どちらの作品も知らないのだが。

ほかの映画を観に行ったのだが満席で入れず、まさにぶらっと入ったのがこの映画。
後で調べるといろいろといわくの付いた映画であり、
本来は2018年公開のはずが今年にずれ込んだのだそうだ。
資金をクラウドファンディングで集めたのだが、約束どおりに作業が進まず、
今年春の試写会でもちゃんとした作品になっていなかったのだという。
それを重く受け止めた山本寛監督は、
「自らのプロとしての責任、特に納品責任を重大に受け止めまして、『薄暮』を最後にアニメーション業界から廃業することにいたします」
と宣言されている。
おや、まあ。

まあ、どんないわくが付いていても、作品が面白ければそれでいいのだが、おやまあ。
50分ちょっとの小品なのだが、
映画にするような内容とは思えない。
福島を舞台としていて、原発がらみの流れもあるのだが、
それも申し訳程度。
ストーリーには、根も幹も見えず。
監督の廃業宣言も、なんとなくわかる。

資金集めの方法として、クラウドファンディングが広がっている。
いいことだと思うが、出来上がってみないと作品レベルがわからないという恐れがある。
「この世界の片隅に」という最良の成功例があり、
これからも次々に出てくるだろうが、
当たるも八卦当たらぬも八卦、という面があることは覚悟する必要がある。
本作は、残念な場合の一例となってしまった。

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いつもの大相撲 いつもの大関陣 [ヨモヤ]

大相撲名古屋場所は10日目。
33歳の東の横綱鶴竜が全勝を守り、
34歳の西の横綱白鵬が1敗で追っている。

白鵬は休場明けであり、
練習不足の上に年齢の不安もあったが、
始まってみたらいつもの強さ。
力を維持することはできていないだろうと思われ、
全盛期の6割くらいの力なのかと思うが、
いかんせん相手との差があり過ぎる。

白鵬が勝つのがいつもの風景なら、
大関陣がバタバタ負けるのもすっかりおなじみ。
そして、一人休み、二人休みして、
4人中3人が休場してしまった。
しかし、この状況を嘆くというより、
「大関って、ずっとこんな感じだよなあ」
としか思わなくなっている。

いろいろな事情があって大関という地位がなくせないのはいいとして、
3人以上置く必要はあるのだろうか?
一定の昇進基準はあるにしても、その基準に沿って選んだ結果が今の状況なのだから、
大いに見直しすべきではないか。
2人で沢山だ。
最高2人にして入れ替え制をとるなど、やりようはいくつもあると思う。

大関に、横綱に拮抗する存在であることを求めるのは無理な願いなのだろうか。
んなはずはないのだが。

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映画評 「トイ・ストーリー4」 ~ 単体としてはほぼ完ぺき しかし4として見ると消沈 ~ [映画評]

「トイ・ストーリー」は特別な映画である。
素晴らしい第1作目、
完璧な続編となった2作目、
奇跡的な傑作となった3作目。
毎回映画ファンの予想を超える素晴らしい作品が届けられてきた。
そして、「トイ・ストーリー」とファンとの間には強い絆が結ばれた。

ビジネス面でも、「トイ・ストーリー」はまさに特別である。
「トイ・ストーリー」を作ったのは、ご存じピクサー。
自分が作ったアップルを首になっていたスティーブ・ジョブズが出資者の一人となって設立した会社である。
そして、「トイ・ストーリー」は、ピクサーとしての長編アニメ第1弾。
これが大ヒットとなった。
もし「トイ・ストーリー」がなかったら、ピクサーは継続して事業ができなかったかもしれない。
ひょっとしたら、ジョブズがアップルに復帰することもなかったかもしれない。
そうしたら、iPHONEも生まれなかったかもしれない。
「トイ・ストーリー」は、なにものにも替えられない作品なのである。

「4」については、ファンからの悲痛な叫びがネットを埋めていた。
ピクサーが「トイ・ストーリー」を作る以上、そんなひどいものになるはずはないと思うものの、観た人の評価は散々。
心配が募った。

それでも、観てみたら、やはり面白い。
ディズニーの新作として見れば、文句のない作品と言えるだろう。
最初から最後まで息つく間もない展開。
笑えて、ハラハラして、しんみりして。
キャラクターの個性を活かしつつ、様々な障害をアイデアで乗り切らせるのだが、
それをしっかり描く脚本の素晴らしさにはうならされた。
さすがとしか言いようがない。
天才の仕事に息を飲む。

しかし、である。
これは「トイ・ストーリー」。
ディズニーの新作としてさすがに面白い、
というのは誉め言葉にはなるまい。
「トイ・ストーリー」シリーズとして観た場合、心底がっかり意気消沈である。
ウッディがとにかく頑張るのだが、何のために頑張っているのか、どうにも腑に落ちない。
娯楽作と割り切れば腑に落ちなくても全然かまわないのだが、これは映画史に残る「トイ・ストーリー」。
肝心の設定がスカスカではどうにもならない。
バズの描き方もあんまりだ。
単なる間抜けキャラ扱いで、ウッディとの友情さえちゃんと描かれない。
おもちゃとしての制約がありながら、それでもなんとか工夫して解決していくのが面白かったのに、
今作ではほとんどなんでも出来てしまう。
やれやれ。

オチもそれはない。
「その結末はあなたの想像を超える──」
というのが売り文句なのだが、悪い方に超えられても悲しくなるだけだ。

残念ながら、「4」からは別物、と考えるべきなのだろう。
あの素晴らしかった「トイ・ストーリー」は、完璧な「3」で終わり、
「4」からは娯楽映画のプロが、その場喜ばせるために全力を挙げる作品に変わったのだろう。
天才たちの仕事だから、それで十分に面白い。
ほかのディズニー作品と同じように。

みんなの「トイ・ストーリー」は終わってしまったが、どんなものにも終わりはある。
(多分、続編は作られるだろうが、もう「トイ・ストーリー」としては観ない)
出来れば、タイトルは変えてもらいたいが、変えると商売上よろしくないのだろうから仕方がない。

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日本人は減る 外国人は増える [ヨモヤ]

誰もが知っていることだが、日本の人口は減少傾向にある。
総務省が発表した住民基本台帳に基づく人口調査によれば、
外国人を含む総人口は約1億2744万4千人で、
前年比約26万人の減になったとのことである。
26万人というと、それなりに大きな市が一つすっぽりなくなったのと同じだから、
相当大きなことであるが、
率にすると0.2%足らず。
そのせいか、実感が湧きにくい面がある。

一方、外国の方は増え続けている。
日本に住む外国人の数は今年1月1日時点で約266万7千人となり、
全人口に占める割合が初めて2%を超えたとのことである。
増加幅は約17万人。

日本の人口が26万人減ったと書いたが、外国人の増が減少を和らげている面がある。
つまり、日本人に限定すると人口は約43万人減ったのだが、
外国人が17万人増えたので、
トータルでは26万人の減にとどまった、
ということである。

日本人の人口減少は、今に始まったことではないし、
これからも続いていく。
外国人の増加も継続的な現象だが、
近年、拍車がかかっているように見える。
しかも、都市部だけではなく全国的に見られる現象になっている。
外国人が増えたのは、なんとすべての都道府県。
つまり、日本中で起きている。
さらに、島根や鹿児島、熊本などでは10%以上伸びたという。
地方では、
日本人が高齢化し、人口が減る一方で、
外国人は増えている、
という状況が顕著に見られるということになる。

この現象は、いい悪いはさておき、現実に起こっていることであり、待ったなしの課題である。
いかに外国の方に地域に溶け込んでいただくか、
どうやってその力を発揮してもらうか。
他人事のような気持でいられる地域はほとんどないはずである。

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利下げ期待で株価最高値のいびつ [経済を眺める楽しみ]

アメリカの株か上昇が止まらない。
ダウ工業株30種平均は終値で27,088ドルとなり、
初めて27,000ドルを突破した。
当然、史上最高値である。

株価上昇の理由とされているのが、FRBの利下げ期待。
利下げが行われるということは、
景気の先行きに不安があるということ。
にもかかわらず、
金利が下がれば経済にはいい効果が現れるはず、
ということで株価が上がる。

金利が下がれば株価が上がる、
というのは自然なことではあるが、
景気のテコ入れが必要とされていることを材料に史上最高値、
というのはちょっといびつではないだろうか。

もちろん、企業業績の裏付けがあっての上昇ではある。
各種指標で見ても、それほどの過熱感はないらしい。
しかし、これまでに起きてきたバブルも、
すべて上昇中には過熱感はない
と見られてきた。
今回は、バブルだろうか、
それとも、理にかなった上昇だろうか。
日本経済のためにも、理にかなった上昇であると願いたいが、
なにやら不安も募る。
なにやら怪しく感じる。

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映画評 「ダイナー」 [映画評]

藤原竜也さんの存在感は圧倒的である。
藤原さんが画面にいるだけで、藤原さんの世界になる。
それはちょっとしたギャグのようでさえある。
もちろん、凄くいい意味で。
本作「ダイナー」も、藤原さんが主演されている段階で、
それなり面白い作品になることが約束された感がある。

しかし、それなりには面白くても、「ある意味面白い」ということで、
本当には楽しめないだろうと予想していた。
だって、「殺し屋のためだけのダイナー」って。
予告編で流れていた様式美のようなものも、パロディとしてはあっても、
映画としてはどうなのだろうと、完全に懐疑的だった。

これが、いやいやどうして。
結構面白かったのである。
ハチャメチャな映画で、
心に残るとか、心に刺さるとか、そういったこととは遠いのだが、
十分に楽しめた。

藤原さんがいいのは当然として、
窪田正孝さん、土屋アンナさん、真矢ミキさんらも、
ノリノリではじけている。
私は未読だが、原作ファンからは不満の声が上がっているようだし、
シリアスに観ようとする人からも嫌われているようだ。
私は十分に楽しんだ。
楽しめる出来だと思う。

監督は蜷川実花さん。
期待せずに観に行ってごめんなさい。

「ダイナー」は、
蜷川監督の色彩感覚や世界観に酔いつつ、
藤原さんのカリスマにのめり込める作品。
ツッコミどころは満載、
ちゃんと考えたら穴だらけも、
しっかり楽しめる映画に仕上がった。
ちょっとした奇跡のように。

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錦織を見ていられる幸せ [ヨモヤ]

錦織のウィンブルドンは、ベスト8で幕を閉じた。
全豪でジョコビッチ、全仏でナダル、ウィンブルドンではフェデラーと、
それぞれが最も得意とするコートで、準々決勝で当たってしまう。
しかし、ベスト8のその先を目指すなら、避けられない壁である。
不運というより、相手の力が上回っていたということだろう。
組み合わせ云々より、
フェデラー、ナダル、ジョコビッチという、
テニスの歴史に残る3人と常に打ち合わなければならない時代にプレーしている、
ということが重い。

それでも、怪物しか棲んでいない男子プロテニスの世界で、
日本人選手がランキングトップ10を維持し、
「勝つかも?」
と思いながら史上最強クラスの選手との打ち合いを眺められるのは、
実に幸せなことである。
錦織が現れる以前は、想像もつかなかった。

もちろん、さすがに全盛期は過ぎたと思えるビッグ3に、
ここらでしっかり引導を渡してもらいたい気はする。
それをさせない3人の力は、本当に絶大であるが、いつまでも越せない歯がゆさはある。
それでも、それを歯がゆいと感じることができる幸せも改めて感じる。

錦織に続く選手は出てくるのだろうか?
また、何十年も待たなければならないのだろうか?
そうならないことを祈りつつ、
今は錦織の姿を焼き付けよう。

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