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国債について考えるきっかけになれば [公会計]

政府は、減収世帯に30万円を支給する措置を撤回し、
国民1人あたり10万円を給付する方針に転換した。
その迷走ぶりが批判され、
給付までに時間がかかることが懸念されているが、
元の案に比べれば、いろいろな意味でいいとは思う。

しかし、まだ事業の進め方については完全な一致が見られていないようだ。
全員給付のはずが、麻生財務大臣が、
「(全員にではなく)手を上げた方に1人10万円ということになる」
とおっしゃったからである。
財務省的には、高額所得者に払うのは納得できないのかもしれないが、
条件を付けてしまうと線引きが難しいし、進んで手を上げにくくなる人もいると思われる。
また、去年の高額所得者が今年もそうとは限らない。
何より、スピード感が失われる恐れがある。

この発言について、立憲民主党の蓮舫議員がツイッターで噛みつき、
そのつぶやきが炎上している。
蓮舫議員のツイートは、
「麻生大臣、このお金は貴方のものではありません。
国債という国民の借金です。
物言いに気をつけてください。」
というものであった。

これに対し、
「国債は国民ではなく政府の借金」
「完全に勘違い」
「この程度の理解で大丈夫か」
といった書き込みが次々になされる状況になっている。

単なる言葉のあやと言えなくはないが、
国債は政府が起こす借金であり、国民にとっては資産という面もある。
「物言いに気をつけて」と財務大臣に突っ込むにしては、
あまりにも不用意であったと言われても仕方がないだろう。

ただし、政府の借金であったとしても、返すための原資が税金であることは変わらない。
もちろん、借り換えてつないでいくという手もあるが、
永久に税金を充てないというわけにはいかない。

今は、借金が増えることを気にするより、
思い切って緊急的な手当てをするべきときだと思う。
しかし、いつまでも緊急措置が続けられるわけではない。
そのときのことも想定して、改めて国債について考える機会になったとしたら、
これはこれで意味があった、と感じなくもなくもなくもない。

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