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地下アイドルの皆さんのこれから [ヨモヤ]

かつてアイドルは別世界の存在だった。
山口百恵さんにしても、松田聖子さんにしても、中森明菜さんにしても、
なにか少し現実味の無い、ブラウン管の向こうにいる偶像だった。

おニャン子クラブが、アイドルのハードルをグッと下げたが、
テレビ局の仕掛けであり、
ブームも一過性だった。

アイドルのあり方が本格的に変わったのは、
やはりAKB48以降だろう。
彼女たちのコンセプト自体が「会いに行けるアイドル」だったから、
初めから偶像であることを前提としていない。
ネットが一般化したことも相まって、
一般の人とアイドルの垣根が一気に低くなった。

そして、近年は「地下アイドル」と呼ばれるグループが大量に生まれた。
地下アイドルとは、決して物理的に地下にもぐっているわけではない。
一般には、
「比較的小規模なライブを中心に活動しているアイドルのこと」
とされている。
今や、秋葉原、東京といった地域を超え、全国的に存在していると言っていい。

メジャーアーチストでもCDが売れない時代にあって、
彼女たちの活動を支えているのがライブであり、
ライブ後のファンとの触れ合いである。

ファンの皆さんは、
ライブ中はオタ芸で散々盛り上がり、
ライブ後は握手会やチェキの撮影などで推しと触れ合う。
ファンと直接やり取りすることで、地下アイドルは成り立ってきたのである。

このあり方が、コロナショック下では、完全に逆風となっている。
強烈に密集して、汗や唾を飛ばすライブはもってのほか、
握手もとんでもない、
という状況では、地下アイドルのこれまでのやり方は全く成り立たない。

コロナもいつかは下火になるだろう。
しかし、そのとき、地下アイドルを取り巻く環境は、
以前とはがらりと変わっているかもしれない。
地下アイドルとそれを応援するファンの関係は、
実に日本的な光景である。
不思議であり、微笑ましくもあり、
これからも残ってほしいものだが、果たしてどうなるだろう。

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