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語学が無意味になる日は近い? [ヨモヤ]

AIを活用した自動翻訳システムを開発・運営しているロゼッタグループが、
全社員に対して英語を話すことを全面禁止する「英語禁止令」を発令したそうだ。
勤務時間内に日本人社員が英語を話すこと、外国人社員が日本語を話すことを禁止するのだそうだ。

「なんのこっちゃ」と思ってしまうが、
ロゼッタはAI翻訳技術により言葉の壁を壊したのだという。
その結果、母国語以外の言葉を話す必要が全くなくなったのだそうだ。
リリースにはこんなことが書かれている。

「感無量です。創業から17年、ついにこの日がやって来ました。今ここに高らかに宣言します。我々はついに言語的ハンディの呪縛から解放されました。『言語フリー』の世界が実現しました。長年に渡って人類を分断し続けた言語の壁は、今ここに崩壊したのです」

「今こそ目が覚める時です。人種や性別とまったく同じように、英会話力など、本業の能力とは何の関係もありません。英語ができる無能な人が重宝され、本当に実力のある人々が抑圧される暗黒時代はもう終わったのです。英語ができないだけで不遇な目に会っていた、優秀で素晴らしき人達。あなた方はついについに、檻から解放されたのです。自由に、羽ばたいてください。思う存分、きらめいてください。また、たまたま語学ができる人に、本業と関係ない翻訳仕事を依頼するのも無しです」

いやはや高らかにうたいあげている。
そこまで言わなくてもいいというくらいに。
「英会話力など、人種や性別と同じように本業の能力とは何の関係もない」
とまで言われてしまうと、語学力を評価されてきた人は、
「はあ?」
と感じるだろう。
しかし、飛脚の方々のお仕事が車の登場で奪われたように、
ワープロ、パソコンの登場でタイプライターの存在が薄れたように、
自動翻訳機が語学の壁を完全に打ち払うかもしれない。

ちなみに、ロゼッタでも当然外国人が働いているが、社内で話すときには、
独自のシステムで外国語が母国語に自動翻訳される「言語フリー部屋」を使うのだそうだ。
なんでも
「現在外国語を使っている人でも大抵の場合、AI翻訳の方が精度がよいので、これまで多発してきたミスコミュニケーションが減ります」
のだそうだ。

語学は深いものだから、AIがさらに成長しても、学問としてなくなることはないだろう。
自分の国の言葉でさえ、ずっと学び続けてもわからないことだらけなのだから。
しかし、コミュニケーションをとることを目指す語学のニーズはグッと下がる可能性がある。
日本人は、
数ある外国語のうち英語だけを延々と勉強し続け、にもかかわらず話せないという、
膨大な時間と労力の無駄を繰り返してきた。
それがなくなるかもしれない。
とすれば、これは朗報である。

もちろん、言葉を学びたい人は学べばいい。
機械に頼らず、自分の口で伝えたいという人はいるだろう。
しかし、それは必要性に迫られてではなく、趣味的に行うものになるかもしれない。

流れが加速すれば、学校教育も対応が迫られることになる。
「そうはいっても、やはり語学は必要だ」
と結論に飛びつかず、しっかり知恵を出し合っていきたいものである。

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